善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きのうのワイン+「男はつらいよ 寅次郎頑張れ!」

先日はイタリア・トスカーナのワイン、その前にヴェネトのワインを飲んだが、きのう飲んだのはプーリア州の赤ワイン。
「ネプリカ・ロッソ(NEPRICA ROSSO2015)」
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特徴の異なる土壌のブドウをブレンドしてつくったワインという。ネプリカとは、使用している3つのブドウ品種、ネグロ・アマーロ、プリミティーヴォ、カベルネ・ソーヴィニヨンの頭文字をとったもの。

ついでにその前に飲んだのはフランス・ボルドーの「シャトー・ジレ・ルージュ(CHATEAU GILLET ROUGE)2015」
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ボルドーで150年以上の歴史を持つシャトーのワイン。ブドウの育成とワインの醸造になるべく機械を使わず、伝統的な手法を守っているのだとか。
最近はやりのバイオダイナミック農法か?
ボルドーらしいほどよいタンニン。

ワインの友で見たのは毎週土曜の夜に民放のBSで放送している「男はつらいよ」シリーズ。
先週土曜日にやっていたのは第20作「寅次郎頑張れ!」
1977年12月公開。
監督は山田洋次。出演は渥美清中村雅俊大竹しのぶ藤村志保ほか。

何度も見ているが、久しぶりに見てしみじみよかったのが、寅が恋する女性(藤村志保)の弟(中村雅俊)と食堂の娘(大竹しのぶ)との婚約を祝う会でのシーン。
「とらや」の座敷においちゃん、おばちゃん、タコ社長などが集まってにぎやかな宴となる。このとき寅は、藤村志保への恋が実らぬことを悟り、一人さびしく「とらや」を去ろうとしている。
宴の途中、大竹しのぶのオジさんである食堂の主人が立ち上がって歌を披露する。
秋田弁丸出しの食堂のオヤジが歌うんだから民謡かなんかかと思ったら、何とシューベルトの「菩提樹」だった。見事な低音で、酔っぱらっていた連中もシーンとなって聞いている。
その歌の中を、寅次郎は去っていく。まるで傷心の寅をやさしく包み込むような歌の響きだった。

山田監督の名演出だと思ったが、「菩提樹」を歌ったのは実は役者ではなく、築地文夫さんというプロのバスバリトン歌手だった。見事な歌声のハズだ。
この人、芸大を卒業し、洗足学園音楽大学で声楽を教え、名誉教授にもなった人だという。
山田監督はこのシーンをぜひともプロの声楽家に歌ってもらいたいと築地さんを引っ張りだしたのだろう。
ちなみにこの築地文夫さん、第35作「寅次郎恋愛塾」にも出演している。やっぱり第20作と同じ秋田県人で、片思いの青年・民夫の父親役だった。