善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

ラ・ラ・ランド

大泉学園にあるT・ジョイSEIBU大泉で「ラ・ラ・ランド」を観る。
午前9時スタートの早い回なのに若い人、中年も含め結構な入り。依然人気があるようだ。

脚本・監督デミアン・チャゼルのミュージカル映画
主演はライアン・ゴズリングエマ・ストーン
今年のアカデミー賞で史上最多タイの14ノミネート(13部門)を受け、監督賞、主演女優賞(エマ・ストーン)、撮影賞、作曲賞 、歌曲賞、美術賞の6部門を受賞。しかし作品賞は逃した。

冒頭のLA近郊の高速道路上での歌って踊ってのシーンが圧巻。
いきなり期待が持てる。
物語は2人の男女の恋と夢の物語。

女優志願のミア(エマ・ストーン)は高速道路で渋滞に巻き込まれ、オーディションのためのセリフを覚えようとしていて後続車を運転していた売れないピアノ弾きのセブ(ライアン・ゴズリング)にクラクションを鳴らされて悪態をつく。
結局、オーディションに落ちたミアが落胆して夜の道を歩いていると、偶然聞こえてきたピアノの音にひかれてバーへ入る。
ピアノを弾いていたのは高速道路でクラクションを鳴らしたセブだった。二人の物語がここから始まる。
セブの自作の曲で、そのメロディーにぐッときてなぜか目頭がジンときてしまった。
「Mia & Sebastian’s Theme」とかいう曲で、このあとも繰り返しこの曲が流れるが、要するに映画のテーマ曲みたいなものだ。

映画の最後の方でミアが受けたオーディションの場面もいい。
このオーディションでは「好きなことを話なさい」といわれてセーヌ川に飛び込んだおばの話から、夢追い人に乾杯!というような歌になり、このシーンもなかなかステキだった。

ジャズについてのウンチクも聞けたし、イングリット・バーグマンが繰り返し出てきてうれしかったし、トヨタプリウスがたくさん出てきてこりゃトランプがカッカするわけだと思ったり、細かいところもおもしろかった。

しかし、映画の結末ははっきりいっていただけない。
アカデミー賞で作品賞をとれなかった理由がこれでわかった。
夢と現実が交錯したシーンを描きたかったのかもしれないが、結局物語はハッピーエンドには終わらず、
最後に2人は再会して終わりになるのだが、同じにハッピーエンドではなく再会して終わりというミュージカル映画としては、「シェルブールの雨傘」の最後のシーンのほうがよっぽど感動的だった。

本作ではそういうわかりやすくて情緒的な終わり方ではなく、もっと高尚で芸術的な終わり方をしたかったのだろうか。あるいは時代の違いか。