善福寺公園めぐり

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きのうのワイン+映画「アラバマ物語」

スペイン・カタルーニャの赤ワイン「グラン・サングレ・デ・トロ・レゼルヴァ(GRAN SANGRE DE TORO RESERVA)2015」f:id:macchi105:20200320104941j:plain

ワイナリーはバルセロナ近郊、ペネデス地方でワインを造り続けて150年以上というトーレス

1954年に誕生したトーレスを象徴するシリーズ、サングレ・デ・トロの格上シリーズ。カタルーニャの中でも地域を限定し、厳選したブドウを使用。サングレ・デ・トロよりも長い熟成期間を設け、地中海沿岸のカタルーニャらしさをより追求したワインなんだとか。

グルナッシュ60%、カリニャン24%、シラー15%。

 

ワインの友で観たのはNHKBSで放送していたアメリカ映画「アラバマ物語」。

1962年の作品。

原題は「TO KILL A MOCKINGBIRD

監督ロバート・マリガン、出演グレゴリー・ペック、メアリー・バダム、フィリップ・アルフォードほか。

 

原作は1960年に発表されたハーパー・リーのピューリツアー賞受賞の自伝的小説。

まさに名作といってよい作品。

1930年代のアメリカ南部アラバマ州の小さな町で、男やもめの弁護士アティカス(グレゴリー・ペック)は小学生の息子と娘の3人で暮らしていた。ある日、白人女性暴行の罪で起訴された黒人トムの弁護を引き受けるが・・・。

誠実で頼もしい父親であり、人種差別に立ち向かう弁護士の姿を娘の視点から描いている。

グレゴリー・ペックがシブくていい。彼が「ローマの休日」でヘップバーンの相手役をつとめたのが37歳のとき。それから10年近くたってペックの魅力がさらに増した感じの作品。

そして、脚本がすばらしい。だからこの作品は主演男優賞、脚色賞、美術賞(白黒部門)の3部門でアカデミー賞を受賞している。

 

映画のテーマが原題に表現されている。

原題の「TO KILL A MOCKINGBIRD」とは「物まね鳥を殺すこと」という意味か。

Mockingbirdは正確には「Northern Mockingbird」、和名では「マネシツグミ」。ヒタキ科の鳥でツグミの一種。主にアメリカ南部に生息し、ほかの鳥の鳴き声をまねるのが上手なところからものまね鳥ともいわれているという。

映画の最初のころで父親のアティカスが子どもたちに語るシーンがある。

「アオカケスは撃ってもいいけど、マネツグミは殺してはいけないよ。彼らは私たちを歌で楽しませる以外何もしないのだから」

 

物語は2つの話が交互に進んでいく。

1つは、近所に住むブーという変わり者の男の存在。その家はまるで亡霊でも住んでいるみたいで、子どもたちは肝試しでもするようにその家をのぞきに出かけたりしている。そして、木の洞に入れられている奇妙なプレゼント。

もう1つのエピソードが黒人青年トムの冤罪事件。トムはただ毎日、被害者の家の前を通りすぎているだけなのに、白人女性のウソの証言で罪を着せられ裁判にかけられる。

映画では別々に進行していたブーのエピソードとトムのエピソードが最後に1つに交わっていく。

実はブーもトムも、美しい歌で人々を楽しませてくれるモッキンバードだったのだ。

 

怪しい男ブーの役を、若き日のロバート・デュヴァルが演じていて、これが彼の映画デビュー作品だったという。当時31歳。