チリの赤ワイン「モンテス・クラシック・シリーズ・エベルネ・ソーヴィニヨン(MONTES CLASSIC SERIES CABERNET SAUVIGNON)2021」
(写真はこのあと牛のサーロインステーキ)
ワイナリーはチリを代表するモンテス。
カベルネ・ソーヴィニヨン85%、メルロ15%。
生産地はチリのセントラル・ヴァレー。
上品なタンニンとすぐれたバランスを感じる味わい。クセがなく飲みやすいので料理との相性がいい。
ワインの友で観たのは、民放のBSで放送していたアメリカ映画「狼たちの午後」。
1975年の作品。
原題「DOG DAY AFTERNOON」
監督シドニー・ルメット、出演アル・パチーノ、ジョン・カザール、チャールズ・ダーニング、ジェームズ・ブロデリックほか。
実際に起きた事件をもとにした緊張感満点の犯罪サスペンス。
1972年8月22日のニューヨーク。猛暑の白昼、午後3時閉店直前のブルックリンの銀行に3人組の強盗が押し入る。
しかし犯人の一人は怖じ気づいて逃げ出し、しかも銀行には小額の現金しかなかったことがわかる。犯人のソニー(アル・パチーノ)とサル(ジョン・カザール)はあっという間に警官隊に包囲され、人質とともに篭城せざるをえなくなる。
根っからの悪人ではないらしいソニーはなぜ銀行強盗に走ったのか。犯行の動機はゲイである恋人の性別適合手術の費用を得るためのものであった。
犯人との交渉役、モレッティ巡査部長(チャールズ・ダーニング)が犯人の説得に乗り出すが、交渉は難航。そんな中、犯人と人質との間には妙な連帯感が生まれ、集まった野次馬たちも犯人を応援するようになるが・・・。
アカデミー賞で作品賞ほか6部門にノミネートされ、脚本賞を受賞。
1972年8月、実際にニューヨークのブルックリンで発生した銀行強盗事件を題材にしていて、事件の犯人の容姿がアル・パチーノに似ていたため、彼が主演に選ばれたという逸話が残る。
映画の中でソニーが警察の横暴をやり玉に挙げて「アッティカ!アッティカ!」と連呼し、群衆もそれに呼応するシーンがあるが、事件の前年の1971年に起こったニューヨーク州アッティカのアッティカ刑務所の囚人の暴動をさしている。囚人たちによる所内の生活状況の改善が暴動の理由の1つといわれるが、武力による制圧の結果、少なくとも39人が死亡したといわれる。
原題の「DOG DAY」とは「盛夏」を意味していて、おおいぬ座のシリウスが日の出とともに昇り日の入りとともに沈む時期と非常に暑くなる時期がちょうど重なるため、こう呼ばれる。つまり「DOG」とはイヌではなくて星座のことだが、邦題の「狼」とはまるで関係ない。
もう1つ興味深かったのが、ブルックリンの銀行が午後3時に閉まるということ。
日本の銀行も午後3時に閉まるが、銀行の閉店時刻は日米一緒のようだ。
日本の銀行の午後3時閉店は「銀行法施行規則」の第16条に定められていて、「銀行の営業時間は、午前9時から午後3時までとする」とされている(ただし、法律では「前項の営業時間は都合により延長することができる」ともあり、最近では午後3時以降も窓口業務を行う銀行または支店もあるようだ)。
日本の銀行の閉店時刻はすでに明治28年から銀行条例で午前9時から午後3時と定められていて、そのころの日本の銀行はアメリカの銀行制度をモデルにして確立していったといわれる。とすると、すでにそのころからアメリカでも午後3時閉店となっていたのだろうか。
ちなみにアメリカの主要株式市場はニューヨーク証券取引所とナスダックだが、どちらも立会時間は休みなしの午前9時半~午後4時。
一方、日本の株式市場は前場と後場に分かれていて、午前9時~11時半までが前場で、休憩のあと午後0時半~3時までが後場。銀行の閉店時刻と同じになっているが、来年11月からは終了時刻を30分遅くして3時30分までとすると発表されている。たった30分でも取引時間の延長はこれまで何度も議論になったが実現できずにきていて、実に70年ぶりの「大改革」という。
金融機関にとっての「時間」とは、「時は金なり」の言葉のとおり、なかなかシビアな問題をはらんでいるようだ。