アルゼンチンの白ワイン「ロ・タンゴ・トロンテス(LO TENGO TORRONTES)2019」
創業120年のアルゼンチンを代表するワイナリー、ボデガ・ノートンの白ワイン。
「タンゴ」を踊るラベルで知られる。
アルゼンチンの土着品種であるトロンテスを使用。さわやかでフルーティーな味わい。
ワインの友で観たのは民放のBSで放送していたアメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・日本合作の映画「ナイト・オン・ザ・プラネット」。
1991年の作品。
原題「NIGHT ON EARTH」。
監督・脚本・製作ジム・ジャームッシュ、音楽トム・ウェイツ、出演ウィノナ・ライダー、ジーナ・ローランズ、ロベルト・ベニーニほか。
地球という星の同じ空の下、同時刻に、ロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキの5つの都市を走るタクシー・ドライバーの物語をオムニバスで描く。
登場するのは、映画の新人女優を探すエージェントを乗せた若い女性運転手、東ドイツからやってきたばかりで英語も運転も下手な運転手、目が見えない女性客を乗せて態度がでかいのに苛立つ運転手、神父を相手に話し出したら止まらず卑猥な話をまくしたて続ける運転手、3人連れの酔っ払い客からの不幸な身の上話と悪態に耐えながら車を走らせる運転手。
ジャームッシュ監督のオムニバス映画といえば永瀬正敏や工藤夕貴も出演していた「ミステリー・トレイン」があり、この映画では舞台はエルヴィス・プレスリーの聖地・メンフィスで、ここにやってきた3組の国籍が異なる旅人をめぐる3話のオムニバス映画だったが、本作は舞台が世界に広がり、同時刻に起きる人生模様を描いている。
しかも、それぞれの話が短いながらも味わい深い物語となり、文明批評にもなっている。
やはりジャームッシュ監督の「ストレンジャー・ザン・パラダイス」同様、エンドロールで流れるトム・ウェイツの歌が聞かせる。
ついでにその前日に観たのは、NHKBSで放送していたアメリカ映画「マラソンマン」。
1976年の作品。
監督ジョン・シュレシンジャー、出演ダスティン・ホフマン、ローレンス・オリヴィエ、ロイ・シャイダー、マルト・ケラー、ウィリアム・ディヴェインほか。
名作「真夜中のカーボーイ」(1969年)から7年後、ジョン・シュレシンジャー監督がダスティン・ホフマンと再びコンビを組んでつくった作品。
コロンビア大学の大学院生でマラソン好きのベーブ(ダスティン・ホフマン)は、大学で知り合ったスイス人のエルザ(マルト・ケラー)と恋仲になり、久しぶりに会った兄のドク(ロイ・シャイダー)に紹介する。
ドクは実業家を装っているが実は秘密組織のメンバーであり、第二次世界大戦中アウシュヴィッツ収容所のユダヤ人から命と引き換えに巻き上げたダイヤモンドを銀行から引き出す役を請け負っていて、その首謀者は元ナチ党員でウルグアイに潜んでいるゼル(ローレンス・オリヴィエ)だった。
ゼルは元ナチの軍医で、アウシュビッツ収容所で人体実験を行った張本人であり、亡くなったユダヤ人の金歯まで奪って自分のものにする男だった。
ドクは、秘密裏にアメリカに入国したゼルと接触して取引を行うが、いい争いからゼルに刺されてしまい、ベーブのアパートに逃げ込んだものの力尽きて死んでしまう。ドクがいないと銀行からダイヤモンドを引き出すことができない。ベーブはゼルの手下たちに誘拐され、死の直前にドクがいい残した言葉を聞きだそうと、ゼルによる拷問が始まるのだった・・・。
ダスティン・ホフマン演じる大学生が、ナチス・ドイツの残党が絡む陰謀に巻きこまれていく恐怖を描く本作だが、カネに目がくらんだナチス残党の醜さこそがこの映画の主題であり、その醜さを演じたローレンス・オリヴィエの老練な演技が光る。