アルゼンチンの赤ワイン「アルトゥーラ・ピノ・ノワール(ALTURA PINOT NOIR)2022」
(写真はこのあと肉料理)
アンデス山脈のふもと、「太陽とワインの州」メンドーサ地区で「アルゼンチン最高品質のワインをつくる」ことをモットーにワインづくりを行うボデガ・ノートンの赤ワイン。
ピノ・ノワールの繊細なタンニンによるエレガントな味わい。
ワインの友で観たのは、NHKBSで放送していたアメリカ映画「折れた槍」。
1954年の作品。
原題「BROKEN LANCE」
監督エドワード・ドミトリク、出演スペンサー・トレイシー、ロバート・ワグナー、リチャード・ウィドマークほか。
スペンサー・トレイシーが頑固一徹な父親を演じ、牧場一家の確執を描く西部劇。
1880年代のアメリカ南西部。大牧場主のマット(スペンサー・トレイシー)には4人の息子がいた。ある日、銅の製錬所の廃水により多くの牛が死に、怒ったマットは製錬所に乗り込むが、こじれて裁判沙汰に。
長男のベン(リチャード・ウィドマーク)は時代遅れの父に反発し、ほかの息子たちとともに土地を鉱山側に売ろうとする。先住民の後妻の子である四男ジョー(ロバート・ワグナー)だけは父を助けようとするが・・・。
精錬所から流れ出た鉱毒による家畜の死という社会問題を取り上げた異色さが見どころ。
さらに、身内との争い、混血のジョーは知事の娘との仲を裂かれかけるなどネイティブ・アメリカンへの差別など、時代背景を押さえた骨太ストーリー。
原題の「BROKEN LANCE」は邦題と同じ意味。
父が亡くなったことで、ジョーは長男ベンの足もとに槍を逆さに突き立てる。これは決闘を意味する先住民の意思表示だった。
やがて父の死への復讐を果たし、知事の娘と結ばれたジョーは槍を折って去っていく。
槍を折るというのは、戦いが終わった、つまり、もはや武器が必要なくなったことを意味しているのだろう。
ついでにその前に観た映画。
民放のBSで放送していたインド映画「ヤマドンガ」。
2007年の作品。
原題「YAMADONGA」
監督・脚本S・S・ラージャマウリ、出演NTR Jr.(エヌティーアールジュニア)、モーハン・バーブ、プリヤーマニほか。
2022年のインド映画「RRR」と同じS・S・ラージャマウリ監督、NTR Jr.主演の作品で、NTR Jr.が現世と地獄を往来して大活躍し、豪快なダンスの見せ場の数々で見る者を圧倒する冥界ファンタジー・アクション。
泥棒のラジャは相棒のサクティと窃盗で身を立てる日々。ある日、富豪から高報酬の仕事を引き受けたラジャは任務の途中で悪漢に追われる女性マヒを助ける。その女性は12年前にラジャが命を救った少女だった。
マヒは幼いころに両親を亡くし、財産を狙う親族から虐げられていた。一方、ラジャは盗みの依頼主が報酬を支払う直前に死んでしまい、閻魔大王を恨み悪態をつく。それを聞いた閻魔は怒り、ラジャを死なせて地獄に呼び寄せてしまう。
だが、ラジャは持ち前の話術と死んだ祖父の助力で地獄の民の人気を得て、閻魔から地獄の王の座を奪った揚げ句、地上に戻る。マヒと再会したラジャは彼女を愛し、親族から救うことを決意するが・・・。
「RRR」と同じ3時間休みなしの長尺映画だが、アクションとダンスの連続で飽きさせない。
ヤマドンガとは、「ヤマ」が閻魔、「ドンガ」は泥棒を意味するらしい。
何しろ中国を抜いて人口が世界トップとなった14億人。多宗教、多言語の国だけに、インド映画はいろんな言語で製作されていて、現在、約40の言語で映画がつくられているという。
製作本数のトップ争いをしているのは北インドのヒンディー語映画と南インドのタミル語映画、テルグ語映画で、ほかに南インドのカンナダ語映画とマラヤーラム語映画、そして東インドのベンガル語映画にヒンディー語映画と同じくムンバイが拠点となるマラーティー語映画がある。
ヒンディー語映画界はムンバイの旧名ボンベイ+ハリウッドで「ボリウッド」と呼ばれていて、タミル語映画界は映画スタジオが多いチェンナイのコーダムバーッカム地区由来の「コリウッド」、テルグ語映画界は言語名由来で「トリウッド」。
本作はテルグ語によるトリウッド映画。