善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

新渡戸枝尺、戦勝蜘蛛

水曜日朝の善福寺公園は曇りのち晴れ。南風が強く、散歩から帰るころには暑くなる。

 

卯の花が咲いていた。

和名はウツギ(空木)で、茎が中空なのでこの名がついたとか。

花が卯月(旧暦4月)に咲くので別名・卯の花(ウノハナ)。

 

上池をめぐっていると、ゴイサギがエサをねらっていた。

しかし、カワセミの姿はなし。

夫婦ふたりで子育て中と思ってたのに、どこいっちゃったの?

 

下池にまわると、ギョイコウザクラ(御衣黄桜)の花が池に落ちて花筏ができていた。

 

池の水が川に落ちるあたりの橋の下にメスのカワセミ

ここはかつて下池にいたサクラがよくとまっていた場所。

ということはやはり、下池からオスの文二がいる上池に移動して、そこで文二とつがいになったサクラだろうか。

子育てがうまくいかなくて文二と別れてこっちにきたのかな?

 

ひとりぼっちのカツイブリ。

2羽で仲よく巣づくりしていたんだが・・・。

 

青葉が繁るようになったサクラの木に、小型の鳥たちがやってきていた。

まず見つけたのはアオジ

カップルでやってきたみたいで、青いサクランボがなっている枝に首を伸ばしている。

暖かくなって這い出してきた虫を探しているのかな?

濃い顔をしているからオスだろうか。

やがて1羽が飛び去ると追っかけていった。

 

メジロも梢をめぐっている。

こちらのお目当ては、まだ少し残っている花の蜜のようだ。

やっぱり首を伸ばしてチューチュー。

 

エナガがクチバシにエサをいっぱいくわえていた。

エサをくわえたままキョロキョロしている。

自分で食べるのだったらさっさと飲み込むはずだが、くわえたままで、仲間を探しているのだろうか。

おそらく、巣で待っているヒナにエサをあげようとしているのだろう。

やがてエサをくわえたまま飛び去った。

 

せさもあちこちでシャクトリムシ(尺取り虫)を見る。

頭部は黄色で体色は青灰色、体節側面に小さな黒紋がある。

ニトベエダシャクの幼虫のようだ。

尺を取って移動している。

ニトベエダシャクの名は、青森でリンゴの害虫について研究していた新渡戸稲雄にちなんで名づけられたという。彼は教育者で思想家でもあった新渡戸稲造のいとこで、青森県の県農事試験場で研究者として働いていたが、今も行われているリンゴの袋かけの方法は新渡戸稲雄の考案によるものという。しかし、赤痢にかかって32歳の若さでなくなっている。

若くして亡くなった彼の功績を称えるため、その名をしるしたのだろうか。

 

おなかがまんまるの小さな小さなクモを発見。

体長が4~5㎜ぐらいで米粒ぐらいだが、まんまるのおなかの後方に1対の突起がある。

何ていうくもだろうと帰って調べたら、センショウグモというクモらしい。

漢字で書くと「戦勝蜘蛛」。何と物騒な名前だが、クモを襲って食べるクモで、ほかのクモとの戦いに勝つことから命名されたようだ。

英名はPirate Spider、つまり「海賊蜘蛛」で、似たような命名だ。

ちっちゃいくせしてかなり攻撃的な性格なんだろうか。

 

ニトベエダシャク(新渡戸枝尺)もセンショウグモ(戦勝蜘蛛)も、いずれも初めて見る虫。

世の中は狭いようで広いのか、近所の公園を1周するだけで毎日発見がある。