善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きのうのワイン+映画「国家が破産する日」ほか

イタリア・プーリアの赤ワイン「ネプリカ・ネグロアマーロ(NEPRICA NEGROAMARO)2020」

(写真はこのあと牛ステーキ)

ワイナリーは、イタリアの名門アンティノリがプーリアで立ち上げたトルマレスカ

プーリア原産のネグロアマーロ100%。

ネグロは「黒」、アマーロは「苦い」を意味するそうだが、果実味とやわらかなタンニンを感じるワイン。

ネプリカは、ネグロアマーロとプリミティーヴォ、カベルネ・ソーヴィニョンの頭文字からとられた造語という。

 

ついでにその数日前に飲んだワイン。

イタリア・トスカーナの赤ワイン「サバツィオ・ロッソ・ディ・モンテプルチアーノ(SABAZIO ROSSO DI MONTEPULCIANO)2020」

(写真はこのあと肉料理)

やはりイタリアの名門アンティノリがトスカーナで立ち上げたワイナリー、ラ・ブラチェスカのワイン。

ワイナリーが位置するのは、モンテプルチアーノから1マイル、古代ローマ時代から続くトスカーナを代表する銘醸地という。

ブドウ品種はプルニョーロ・ジェンティーレ85%、メルロ10%、その他5%。

ルニョーロ・ジェンティーレはサンジョヴェーゼ(トスカーナを中心に栽培されている黒ブドウ品種)の亜種で、モンテプルチアーノ周辺では「プルーンのような」(プルニョーロ)「やさしい味わい」(ジェンティーレ)というのでこう呼んでいるという。

 

ワインの友で観たのは、民放のBSで放送していた韓国映画「国家が破産する日」。

2018年の作品。

原題「DEFAULT」

監督チェ・グクヒ、出演キム・ヘス、ユ・アイン、ホ・ジュノ、バンサン・カッセルほか。

 

1997年に韓国で実際に起こった通貨危機の裏側を描いた社会派ドラマ。

韓国経済は急成長を遂げ、いつまでも好景気が続くと多くの国民が信じて疑わなかった。

しかし、その裏ではアメリカのドル高政策に端を発しアジア通貨が急落して通貨危機が深刻化。対外債務が急速に拡大することになり、特に影響の大きかった韓国では債務不履行(デフォルト)寸前の状況にまで達していた。

いち早く通貨危機を予測したのが韓国銀行の通貨政策チーム長ハン・シヒョン(キム・ヘス)だったが、政府は国民には秘密にしたまま対策チームを招集。海外資金の一斉引き上げによる国家破産まで、残された時間はわずか7日間しか残されていなかった。

結局、韓国は国際通貨基金IMF) 管理体制下に置かれようとするが、IMFは実は韓国経済を意のままにしようとするアメリカの操り人形であることが浮き彫りになる。そしてIMF管理下の韓国では、大量解雇と非正規雇用の増大、公的企業の民営化や規制緩和、富めるものはますます富み、貧しいものはますます貧しくなる深刻な格差社会へと突き進んでいくことになる。

そんな歪んだ“経済発展”を告発する映画。

まるで日本の明日(いや今か?)を見ているようで、背筋が寒くなる。

 

ついでにその前に観た映画。

NHKBSで放送していたアメリカ映画「若草物語」。

1994年の作品。

監督ジリアン・アームストロング、出演ウィノナ・ライダークリスチャン・ベールスーザン・サランドンガブリエル・バーンほか。

 

さまざまな試練に立ち向かいながら力強く生きていく4人姉妹の成長を描いたルイザ・メイ・オルコットの名作小説の6度目(テレビムービー1作を含む)の映画化。

19世紀半ば、アメリカは南北戦争下に突入。マサチューセッツ州のマーチ家も父が従軍し、母のマーチ夫人(スーザン・サランドン)、16歳の長女メグ(トリーニ・アルヴァラード)、15歳の次女ジョー(ウィノナ・ライダー)、13歳の三女ベス(クレア・デインズ)、12歳の末っ子エミー(キルスティン・ダンスト)が留守宅を守っていた。一家は豊かではないが明るい日々を送っていた。クリスマス・イヴ。戦場の父からの手紙は姉妹にとって最高の贈り物になったが・・・。

 

20年近く前の映画。

末っ子役のキルスティン・ダンストは当時12歳。2006年の「マリー・アントワネット」では、フランス革命で断頭台の露と消えたマリー・アントワネットを演じていた。

ほかにも2002~2007年の「スパイダーマン」シリーズではヒロインだった。

 

民放のBSで放送していたアメリカ映画「リプリー」。

1999年の作品。

監督アンソニー・ミンゲラ、出演マット・デイモングウィネス・パルトロージュード・ロウケイト・ブランシェットフィリップ・シーモア・ホフマンほか。

 

ルネ・クレマン監督、アラン・ドロン主演「太陽がいっぱい」(1960年)の原作として知られるパトリシア・ハイスミスの小説を映画化。

富豪の放蕩息子ディッキー(ジュード・ロウ)を連れ戻す役目を引き受けイタリアに渡ったトム・リプリーマット・デイモン)。贅沢だが刺激のない毎日を送っていたディッキーは下層階級出身ののトムをもの珍しがり、ジャズクラブやセーリングに連れ回す。

自由奔放なディッキーの人柄と優雅な生活に強く魅せられたトムは、イタリアでの毎日で彼との間に強い絆が結ばれたと思い込むが、ディッキーにとってトムは金づるにすぎなかった・・・。

 

映画の原題「THE TALENTED MR RIPLEY」はパトリシア・ハイスミスの小説と同じ。

「才能あるリプリー氏」といった意味か。

2つの映画を見比べると、同じ原作でもこんなに違う作品になるのかと思う。

両方とも貧しく孤独で野心家の青年が主人公なのだが、「太陽がいっぱい」のアラン・ドロンはやっぱり二枚目ゆえか、殺した放蕩息子の恋人を自分のものにしてしまい、浮かれているうちに結局は破滅へと進む。

一方の「リプリー」のマット・デイモンは、最初は真面目な青年ふうだったのが次第に怖い男になっていって、複雑怪奇なスリラーになっていく。

 

 

民放のBSで放送していたアメリカ映画「ラストムービー」。

1971年の映画。

監督・主演デニス・ホッパー、出演デニス・ホッパー、ステラ・ガルシア、ドン・ゴードン、ジュリー・アダムス、トーマス・ミリアン、ピーター・フォンダサミュエル・フラーほか。

 

初監督作「イージー・ライダー」に続くデニス・ホッパーの監督第2作。ともに「イージー・ライダー」に出ていたピーター・フォンダも出演。

「理由なき反抗」のスチュワート・スターンが脚本を手がけ、71年ベネチア国際映画祭では好評を博したものの、難解で前衛的な内容に困惑したユニバーサル映画のトップの再編集指示をホッパーが拒絶。短期間での公開後ほぼお蔵入りとなり、日本では88年にアメリカ国外で初めて劇場公開された。2019年12月にはオリジナルネガから4Kスキャンと修復を施した最新素材でリバイバル上映。