善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きのうのワイン+映画「そして人生はつづく」他

ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチャーノ(VINO NOBILE DI MONTEPULCIANO)2017」f:id:macchi105:20211018131356j:plain

イタリア・トスカーナ州モンテプルチャーノの赤ワインのもっとも古い記録は、なんと789年にさかのぼるという。以来、ワインづくりが盛んに行われてきたが、老舗ワイナリーであるブラッチ家が所有していた敷地をイタリアのワインメーカー、アンティノリが購入。ブドウを全て植え替えて新しいワイナリーとしてスタート。

かつて所有していたブラッチ家の名前にちなんでつけられたワイナリー名がラ・ブラチェスカ。刀を持った腕のロゴは、ブラッチ家の権力と、イタリア語の腕(Bracci)の両方の意味が込められているのだとか。

ブドウ品種はプルニョーロ・ジェンティーレ90%、メルロ10%。

果実味とタンニンのバランスのとれた1本。

 

パンは「pomme de terre」のベーグルなど。

JR西荻窪駅東京女子大の中間ぐらいにあるベーグル屋さん。

ベーグルもおいしいけど、写真手前の皿に乗ってるクロックムッシュが絶品の味。

クロックムッシュとはフランス生まれのホットサンドのことで、ロースハムやチェダーチーズなどを挟み、ベシャメルソースなんかを塗って焼いたもの。

ワインの友で観たのは、民放のBSで放送していたイラン映画そして人生はつづく」。

1992年の作品。

監督アッバス・キアロスタミ、出演ファルハッド・ケラドマンド、プーヤ・パイヴァールほか。

 

先日録画しておいたのを観たアッバス・キアロスタミ監督による「友だちのいえはどこ?」の続編。

 

1990年6月21日、マグニチュード7・7の大地震がイランを襲った。震源地はイラン北西部で、この地震による死者は約4万人に達したという。

イランは日本と同様の地震国。ユーラシアプレートとアラビアプレート、インド・オーストラリアプレートの3つのプレートがぶつかり合う地震の巣の上にあり、陸地内にも小さな活断層がひしめいていて、地震を繰り返し発生させているという。

この地震震源地は1987年公開の「友だちのいえはどこ?」の撮影地のすぐ近くだったという。ということは、そこに住んでいる主人公の少年を始め俳優たちの安否が心配だ。

キアロスタミ監督はプロの俳優を使うのではなく、地元の住民らを出演させることが多い。おそらくプロの洗練された演技より、演技はヘタでもより自然な姿をカメラでとらえたかったのだろうが、「友だちのいえはどこ?」でも映画に登場していたのはみんな地元の人たちばかり。

そこで地震の5日後、監督(キアロスタミ監督を演じる役者。といっても当時イランの経済庁につとめていた職員という)は息子とともにオンボロ車を運転して撮影の行われたコケール村に向かう。

道中、多くの人々が壊滅した町で瓦礫を片づけている様子を目の当たりにしつつ、車を走らせていくが、ときどき車は停車し、地震当時の生々しい体験を住民に語らせるシーンもあり、ドキュメンターリタッチの映画だ。

 

本作は「友だちのいえはどこ?」の続編というより、「友だちのうちはどこ?」に始まる“ジグザグ三部作”の2作目という。

たしかに、第1作の「友だちのうちはどこ?」では友だちの家を探す少年がジグザグ道を行ったり来たりしていたが、本作ではオンボロ車に乗った主人公が急坂のジグザグ道をときどきとまったりしながら登っていく。

その急坂のジグザグ道とは、大地震に見舞われながらも再起しようとする人々の苦難の道であるとともに、映画を観る人々に対し、「あなたの人生もこのように続いていくのですよ」と語りかける道なのかもしれない。

“ジグザグ三部作”の3作目は「オリーブの林をぬけて」という題名だそうだが、やはりジグザグ道が出てくるのだろうか?

すでに録画ずみなので観るのが楽しみだ。

 

ついでにその前に観た映画。

民放のBSで放送していたアメリカ映画「ダウト 偽りの代償」。

2009年の作品。

原題「BEYOND A REASONABLE DOUBT」

監督・脚本ピーター・ハイアムズ、出演マイケル・ダグラスアンバー・タンブリンジェシー・メトカーフほか。

 

スクープをねらう若手TV局員のCJ(ジェシー・メトカーフ)は、法廷で無敵と評判で次期知事の座をねらう検事ハンター(マイケル・ダグラス)が、証拠を捏造して無実の被告人を有罪にしているのではないかと疑い、それを暴いてピュリッツアー賞をもらおうと同じ局で働く友人とともに動き出す。

最近起きた殺人事件に目をつけて、あえて自らをその容疑者に仕立てて逮捕され、法廷でマークと対決し、いざというところで自分の無実を示す証拠を持ち出すことにする。ところが、その企みに勘付いたハンターに逆にハメられる結果になってしまい、CJは有罪、死刑判決が下されるが・・・。

 

マイケル・ダグラスが出てても日本では劇場未公開の作品。