今年最後のワインは、イタリア・トスカーナの赤ワイン「エボ(HEBO)2019」
ワイナリーはペトラ。ボルドーワインに一目惚れしたオーナーが、「イタリアで最高のボルドースタイルのワインを造りたい」と設立したという。
ワイナリーが位置するのはトスカーナ海岸地帯コルニア渓谷のスヴェレート。古代ローマの文化が色濃く残り、美しい自然が溢れるこの地で、ブドウ畑、コルク樫の森、オリーブの木を含む300haにもおよぶ土地を所有しており、そのうち100haがブドウ畑。
メルロ40%、カベルネ・ソーヴィニヨン50%、サイジョヴェーゼ10%をブレンド。
ワインの友で観たのは、民放のBSで放送していたアメリカ映画「ボーイズ・オン・ザ・サイド」。
1995年の作品。
原題も「BOYS ON THE SIDE」
監督ハーバート・ロス、出演ウーピー・ゴールドバーグ、ドリュー・バリモア、メアリー・ルイーズ・パーカー、エステル・パーソンズほか。
90年代の悩める女性たちが織りなすロード・ムービー。自由奔放なブルース・シンガー(ウーピー・ゴールドバーグ)。真面目で一途なビジネス・ウーマン(メアリー・ルイーズ・パーカー)。恋が生き甲斐のセクシー・ガ-ル(ドリュー・バリモア)。少しも似てない3人の女が、ひょんなことからニューヨークから西海岸のサンディエゴまで、一緒に旅することになる。
陽気に西海岸を目指す3人だったが、実はそれぞれに事情を抱えていた……。
ニューヨークから西海岸までの道中で育まれる女性同士の友情を描いているが、題名がなかなかの傑作だ。
「on the side」は「サイドデッシュ」と同じで「付け合わせ」「添え物」という意味だそうで、「boys on the side」は「女が主役。男はついでに」というわけだ。
そういえば以前、「そもそも人間の基本型は女で、男は女を改造してつくられたもの」、つまり早い話が「女をつくるついでに男もつくられた」という話を聞いたことがある。
女性解放運動の先駆者として知られる平塚らいてうの有名な言葉に「元始女性は太陽であった」というのがあるが、これも、「大昔、女性は太陽のように自ら光り輝く存在だった」という意味だけでなく、太陽があらぬる生命の源であるのと同様、女性は子孫繁栄の大元であることをいっているのだろう。
たしかに子孫繁栄のためには子どもを産む女の存在こそが大事で(もちろん、産まない選択肢もあって、別の形で社会に貢献すれば問題ないと思うが)、男は単に精子提供者でしかないかもしれない。事実、ミツバチの世界では働きバチはすべてメスであり、オスは繁殖期だけしか生きられず、役目を終えればとっとと死んでしまう。
ちょうど本日は大晦日。「ついでにつくられた」という進化の原点に立ち返り、謙虚な気持ちになって来年を迎えたいものだが。