善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きのうのワイン+映画「ダゲール街の人々」

チリの赤ワイン「マプ・レゼルヴァ・メルロ(MAPU RESERVA MERLOT)2019」f:id:macchi105:20210726165123j:plain

(メインの料理は牛サーロインの網焼き)f:id:macchi105:20210726165149j:plain

フランス・ボルドーワインの最高峰、メドック格付け第1級のシャトー・ムートンを所有するロスチャイルド社がチリで手がけるワイン。

スパイシーかつまろやかな味わいのメルロ100%。

 

ワインの友で観たのは民放のBSで放送していたフランス・西ドイツの合作映画「ダゲール街の人々」。

1975年製作のドキュメンタリー。

監督アニエス・バルダ。

 

2019年に90歳で亡くなった映画監督、アニエス・バルダの47歳のときの作品。ドキュメンタリー作品を多く手がけ、“ヌーベル・ヴァーグの祖母”ともいわれる人で、彼女自身が事務所兼住居を構えるパリ14区のダゲール通りに暮らす人々の姿を捉えたドキュメンタリー。

セーヌ川の左岸、リュクサンブール公園よりもっと南側の、モンパルナスの一角。銀板写真を発明した19世紀の発明家ルイ・ダゲールの名を冠した数100mぐらいのこの通りには、さまざまな商店が立ち並び、利用するのはだいたいが顔見知りの地元の人々。そんな下町の風景をこよなく愛したバルダ監督が、温かいまなざしと観察眼をもって人々のに日常をインタビューとともに描いた。

登場するのは、パン屋、肉屋、香水屋、時計屋、美容師、街角のカフェで芸を披露する奇術師などなど。1人1人の話を聞くと、パリ出身の人はほとんどいなくて、みんな他県からパリで一旗揚げようとやってきた人たちだった。

何気ない日常生活を映す映像がとても自然で、観るものも一緒にそこに住んでるみたいに感じるが、なぜここに店を出したか、寝てるときに見る夢は? 夫婦の出会いは?などなど1人1人のインタビューがみんな率直で、おもしろかった。

 

映画づくりの手法も凝っている。ドキュメンタリーだからとただ客観的にありのままを描くのではなく、映画的演出も加えられていて、街角のカフェでのマジックショーと通りの店の情景がうまい具合につながっちゃったりしている。原題は「DAGUERREOTYPES」で、ダゲールによる世界初の銀板を使った写真撮影手法ダゲレオタイプのこと。“ダゲール街の奴ら”といった意味とともに、撮影技法の大先輩であるダゲールへのオマージュも込められているのだろう。

 

ついでにその前に観た映画。

民放のBSで放送していたフランス映画「修道女」。

1966年の作品。

原題「LA RELIGIEUSE」

監督ジャック・リヴェット、出演アンナ・カリーナ、フランシーヌ・ベルジュ、リゼロッテ・プルファー、ミシュリーヌ・プレールほか。

 

修道院の腐敗を告発した18世紀のフランスの哲学者、ドゥニ・ディドロの小説を映画化。教会からの反対運動を受けながらカンヌ映画祭パルムドールにノミネートされたという。

 

1757年、パリ。貧乏貴族の三女シュザンヌ(アンナ・カリーナ)は修道女となる請願の儀式で「自分の意思ではない」と主張して騒動を起こす。いったんは自邸に戻った彼女だが、親に結婚の持参金を払う経済的余裕はなく、当時の社会では修道女になるしかなかった。やむなく修道女となったシュザンヌだったが、行く先々で出会う聖職者たちの腐敗を目にし、拷問監禁を体験したり、逆に同性愛的寵愛に悩んだりする中で、自由への抵抗を続けるが・・・。

 

アンナ・カリーナが美しい。このとき26歳。

夫はジャン=リュック・ゴダールだったが、この映画の公開の前年(1965年)に離婚している。

 

民放のBSで放送していたフランス・ドイツ合作の映画「ホーリー・モーターズ」。

2012年の作品。

監督レオス・カラックス、出演ドニ・ラヴァン、エディット・スコブほか。

 

題名からしてカーチェイスありの痛快アクションかと思ったらさにあらず、「ホーリー・モーターズ」とは「聖なる原動力」といった意味のようで、根源的な生きることの意味を問うような映画だった。

 

夜もふけたころにホテルの部屋で目を覚ましたレオス・カラックス(監督のレオス・カラックス自身)が、隠し扉を発見し下りていくと、顔のない観客たちであふれた映画館へと続いていた。一方、オスカー(ドニ・ラヴァン)は豪邸から子どもたちに見送られて真っ白なストレッチリムジンに揺られて出勤。美しい女性ドライバーのセリーヌ(エディット・スコブ)が車のそばで待っている。

オスカーはリムジンでパリの街を移動しながら、銀行家、物乞いの老婆、モーションキャプチャーの男、メルド、父親、アコーディオン奏者、殺し屋、殺されるギャングなど11人の人格を演じていく。

 

オムニバス形式の映画とは少し違っていて、1人の人物がさまざまな人物に変身する長い1日を描いている。その男が映画の最後でわが家に帰るとき、待っていたのはチンパンジーの妻と子どもだったというのは意外なオチだが、それ以上に、同じ形をした白い家がどこまでも並ぶ住宅街に深い意味がありそうだった。

要するにいろんな見方ができる映画、といえるだろう。

 

イギリス映画「マイ・ビューティフル・ランドレット」

1985年の作品。

監督スティーブン・フリアーズ、出演ダニエル・デイ=ルイス、ゴードン・ウォーネックほか。

 

ロンドンのアパートで父と暮らすパキスタン人青年オマール(ゴードン・ウォーネック)は、幼なじみのジョニー(ダニエル・デイ=ルイス)と再会する。ジョニーは移民排斥を叫ぶ右翼グループのメンバーだったが、一緒に実業家の叔父ナセルから任されたコインランドリーの経営を始めるようになる。やがて2人には友情を超えた男同士の愛が芽生え・・・。