善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きのうのワイン+シネマ歌舞伎「高野聖」

フランス・ブルゴーニュの赤ワイン「レ・コティーユ・ピノ・ノワール(LES COTILLES PINOT NOIR)2019」

 

生産者のドメーヌ・ルー・ペール・エ・フィスは、ブルゴーニュ地方コート・ドールの村サン・トーバンを拠点に、ブルゴーニュのほぼ全域のワインを造っている一大ドメーヌ。1885年から5世代にわたり家族経営を貫いているという。

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ワインの友で観たのは民放のBSで放送していたシネマ歌舞伎高野聖(こうやひじり)」。

2011年の作品。

作:泉鏡花、脚本/演出:石川耕士・坂東玉三郎、出演:板東玉三郎中村獅童中村歌六ほか。

 

2011年2月に博多座で上演された舞台をシネマ歌舞伎として映像化したもの。

ただし、通常の舞台撮影のものとは異なり、客は入れずに舞台上での演技を撮影したものと、ロケーションで撮影した映像をミックスさせて映画的手法で描いた、まさにシネマ+歌舞伎の世界。

 

修行僧の宗朝(中村獅童)は飛騨から信濃へ抜ける山道で道に迷い、日も暮れたころに山奥の一軒家に一夜の宿を頼む。この家に暮らす妖艶で気高い女(板東玉三郎)は、一度は宗朝を拒むが、思い直してその願いを聞き届けると、人が変わったように優しく接し始める。

宗朝が谷川で体をぬぐっていると、女が彼の背中を流し始め、自らも着物を脱いで寄り添ってくる。慌てて女の手を振り払い川から上がる宗朝。女の色気に迷い煩悩の思いが沸き起こる一方、夜更けには鳥や獣たちが女のもとに集うただならぬ様子に恐れ慄き、宗朝は一心に経文を唱えるのだった・・・。

 

魔性と癒やしの二面性を持つ女と、女の色香に心を乱される青年僧。日常と非日常が交錯する泉鏡花の幻想的な世界。谷川で2人が裸になり、胸板の厚い獅童の背中に忍び寄る玉三郎の妖艶な姿に目が釘付け。シネマじゃなければ見られないシーン。

 

泉鏡花怪奇小説幻想小説の先駆者で、明治後期から昭和にかけて活躍。「高野聖」は1900年(明治33年)に発表された短編小説で泉鏡花の代表作の1つ。28歳のときの作品だ。

高野聖は中世に高野山を本拠とした遊行者で、念仏を唱えながら諸国を勧進してまわっていたという。