アルゼンチンの赤ワイン「バレル・セレクト・マルベック(BARREL SELECT MALBEC)2020」
(写真はこのあと肉料理)
ワイナリーは創業120年のアルゼンチンを代表するボデガ・ノートン。
マルベックはアルゼンチンでは輸入品種だが、現在ではアルゼンチンにおける赤ワインの主要品種となっている。
アンデス山脈の麓、「太陽とワインの州」と呼ばれるメンドーサ地区で醸し出されるワイン。
ワインの友で観たのは民放のBSで放送していたフランス・イタリア・西ドイツ合作の映画「夕なぎ」
1972年の作品。
原題CESAR ET ROSALIE
監督クロード・ソーテ、出演ロミー・シュナイダー、イヴ・モンタン、サミー・フレーほか。
原題は「セザールとロザリー」で登場人物の名前。それが邦訳だと「夕なぎ」。
ロザリー(ロミー・シュナイダー)は30代半ばの通訳者で、夫と離婚後は幼い娘カトリーヌを一人で育てていたが、あるとき出会ったセザール(イヴ・モンタン)とアパルトマンで半同棲を始める。セザールは金属解体業を営むバイタリティあふれる中年男で、ロザリーに夢中。そこへロザリーのかつての恋人ダヴィッド(サミー・フレー)が現れる。2人の男にはさまれ、悩んだロザリーは姿を消すが……。
1人の女をめぐる男2人の三角関係。日本のドラマだったらドロドロになるところが、フランス映画だとオシャレになる不思議。
中でも出色がイヴ・モンタン。陽気で気さくな中年男の役で、突然、付き合ってる女性の昔の恋人、それも若くてイケメン男が現れ、嫉妬に狂うが、どこか駄々っ子で憎めない。イヴ・モンタンのキャラと好演が光る。
2人の男に追いかけられて、ロミー・シュナイダーはそこまで魅力的なのかなとも思うが。
民放のBSで放送していたアメリカ・イギリス合作の映画「キャロル」。
2015年の作品。
監督トッド・ヘインズ、出演ケイト・ブランシェット、ルーニー・マーラほか。
「太陽がいっぱい」で知られるミステリー作家パトリシア・ハイスミスが1952年に出版した小説の映画化。原作はハイスミス自身の体験がもとになっているが、当時は“女性同士の恋愛”自体が御法度で、ハイスミスはこの原作を別の名義で出版していた。その30年後、自らが執筆者であることを公表し話題になったという。
まだ同性愛者がうしろ指をさされた時代の1952年のニューヨーク。ジャーナリストをめざしつつ高級デパートでアルバイトをしているテレーズ(ルーニー・マーラ)は、クリスマスでにぎわう売り場で美しい女性に目を奪われる。鮮やかな金髪と赤い唇の持ち主の名はキャロル(ケイト・ブランシェット)。彼女もまたテレーズを見つめ返す。一瞬でキャロルに憧れを持ったテレーズは、販売した商品をきっかけに急速に距離を縮めていくが、キャロルは不幸な結婚と偽りの人生に身を置く、悲しみに包まれた女性だった。
よき妻、よき母であることを求められて苦悩するキャロルに、テレーズは次第に心を通わせていく・・・。
あの時代のニューヨークがよく描かれている。
音楽も美しく、コーエン兄弟のすべての作品の音楽を手がけたというカーター・バーウェル。
キャロル、テレーズの女性2人の魅力的な描かれ方に反して、男のほうのキャロルの夫もテレーズの恋人もロクデナシの描き方。だからこそ2人は惹かれ合うのかもしれないが。
当時のカメラはフィルム全盛で、テレーズがカメラにフィルムを装填したり(たぶんコダックのTRI‐X400だと思うが)、原寸プリントしたべた焼きとか、暗室で紙焼きしたりするシーンがなつかしかった。
1971年の作品。
監督サム・ペキンパー、出演ダスティン・ホフマン、スーザン・ジョージ、ピーター・ヴォーン、T・P・マッケンナほか。
原題の「STRAW DOGS」は老子の語録からとった言葉で、超人間的存在である天から見れば人間の行動は護身のために焼くわらの犬のようにちっぽけな存在にすぎない、という意味だとか。゛
西部劇をバイオレンスにしたペキンパーが、本作で描くのもバイオレンス。
暴力に満ちた母国を嫌うようになった平和主義者の米国人天文数学者デヴィッド(ダスティン・ホフマン)は、妻エイミー(スーザン・ジョージ)と、彼女のふるさとでもある英国の片田舎にある一軒家に引っ越す。しかし地元の若者たちにからかわれたり、嫌がらせを受けたりするだけでなく、エイミーが村の青年たちに乱暴をされても気付かないデヴィッド。やがて犯罪を起こしたと疑われた知的障害者の青年を家にかくまったデヴィッドは、次々と家に襲いかかる村民たちと死闘を繰り広げることに・・・。
無法がまかりとおる、19世紀の世界みたいな村でのできごと。現代人の心に潜む暴力性を浮かび上がらせた作品、といわれるから、人間の本性は現代も19世紀もあまり変わってないということか。