善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きのうのワイン+映画「地獄への道」他

スペインの赤ワイン「セレステ・クリアンサ(CELESTE CRIANZA)2017」f:id:macchi105:20210321080028j:plain

標高700~900mというスペイン内陸部の高地でつくられるワイン。

ワイン名の「セレステ」は、スペイン語で「天空・星空」を意味し、高地にある畑から臨む満点の星空に由来しているという。

ブドウ品種はテンプラニーリョ。

テンプラニーリョはスペイン語の「Temprano(早い、早生の)」に由来していて、同じエリアの他のブドウに比べ早く熟す特徴がある。

テンプラニーリョと聞くと、どうしてもわれわれ日本人は日本の天ぷらを連想するが、たしかに天ぷらはもともと外来語。語源は諸説あるが、天ぷらは調理時間が短くてすむことからスペイン人が「Temprano」と呼ぶので「天ぷら」になったとの説がある。

そんなことを知ると、なぜかテンプラニーリョ100%のワインに親しみを覚えてしまう。

 

ワインの友で観たのはNHKBSで放送していたアメリカ映画「地獄への道」。

1939年の作品。

原題「JESSE JAMES」

監督ダリル・F・ザナック、出演タイロン・パワーヘンリー・フォンダジョン・キャラダインランドルフ・スコットほか。

 

アメリカ西部開拓時代の伝説的アウトロージェシー・ジェームズの半生を描く。タイロン・パワージェシーヘンリー・フォンダが兄のフランクを演じた。

南北戦争後、鉄道は西へ西へと伸びて西部開拓が進んでいくが、鉄道会社は鉄道敷設のため農民たちの汗の結晶である農地をタダ同然の安値で買いあさっていった。鉄道会社によって土地を奪われ、それがもとで母を亡くしたフランクとジェシーのジェームズ兄弟は、復讐のために強盗団を組織して鉄道会社の列車を襲う。やがて彼らはお尋ね者となり、悪名をとどろかせていくが・・・。

主役の2人がともに若い。この映画のときタイロン・パワー25歳、ヘンリー・フォンダ34歳。兄弟に同情的な連邦保安官ランドルフ・スコット

 

ジェシー・ジェームスは実在のガンマン。史実では、実家はミズーリ州で奴隷を所有するタバコ農園だった。南北戦争が始まった当時、ミズーリ州は公式には北部に留まったものの南軍に加わる者も多く、兄のフランクは南軍に参加し、16歳のジェシーも南軍のゲリラ部隊に参加したという。ミズーリ州は北部と南部をつなぐ戦略的な位置にあったため重要な戦闘が州内のあちこちで起こり、兄弟も戦闘に加わった。

しかし、4年続いた内戦は北軍の勝利に終り、敗戦によって変わってしまった世の中に不満を抱いたジェシーらは、強盗団を組織して無法を働くようになる。

しかも、ターゲットにしたのは元北軍や金持ちたちで、列車強盗にしても乗客の手を調べて労働者とわかれば金品を奪わなかったため、新聞に「奪うのは労働者と貴婦人からではなく、シルクハットの紳士から」という記事が掲載されたほどだったという。

 

この映画が公開された1939年は第2次世界大戦が始まった年。まだアメリカは参戦していなかったものの、南北戦争という内戦の遺恨から強盗を働くようになったという筋書きはよろしくないと思ったか、だれもが納得しやすい悪徳鉄道会社を敵役にした物語となった。

 

ついでにその前に観た映画。

民放テレビで放送していたアメリカ映画「ワールド・ウオーZ」。

2012年の作品。

監督マーク・フォースター、出演ブラッド・ピット、ミレイユ・イーノスほか。

突如発生した謎のウィルスが瞬く間に世界中へと広がり、各国の政府や軍隊が崩壊状態に陥る。元国連捜査官で、伝染病の調査や紛争国での調停役を務めた経験をもつジェリー(ブラッド・ピット)は、旧知の仲の国連事務次官に呼び出され、ワクチン開発の情報収集のため各国をめぐる調査隊に同行するよう依頼される。ジェリーは妻と娘2人を安全な国連指揮艦の空母にかくまってもらうことを条件に依頼を引き受け、ウィルスの謎を解明するため混乱する世界へ旅立つが・・・。

 

まるでコロナ禍の現在を描いているような話の展開。

ただし、この映画では感染者はみんなゾンビになっていくんだが。

 

同名の小説の映画化権をめぐって、レオナルド・ディカプリオの製作会社であるアッピアン・ウェイと、ブラッド・ピットの製作会社であるプランBとが争い、プランBが獲得した経緯がある。

ブラッド・ピットは、人種の壁を超えて映画人を登用したり、従来のハリウッド映画とは一味違う映画作りをめざしているみたいで、これまでも「それでも夜は明ける」とか「ムーンライト」などの意欲作を世に送りだしているが、本作は「うーん」の出来だった。

 

民放テレビで放送していたアメリカ・フランス・イギリス合作の映画「ダニー・ザ・ドッグ」。

2005年の作品。

監督ルイ・レテリエ、出演ジェット・リーモーガン・フリーマン、ボブ・ホプキンス、ケリー・コンドンほか。

製作・脚本リュック・ベッソン。製作にはジェット・リーの名も。

 

5歳の時から悪党のバート(ボブ・ホプキンス)に育てられたダニー(ジェット・リー)は、バートの金儲けの道具として戦うことしか知らずに生きてきた。首輪をつけられ“番犬”のように生きてきた彼の心を動かす唯一のものがピアノだった。

あるとき、事故で視力を失ったピアノ調律師サム(モーガン・フリーマン)と、サムの義理の娘で音楽学校に通うヴィクトリア(ケリー・コンドン)と出会う。そこで初めて人を愛することを知り、自らの衝撃の過去を知る・・・。

アクションスターのジェット・リーと渋い演技のモーガン・フリーマン、それにカンフー・アクションとクラシック音楽という変わった組み合わせ。そこらあたりが新味の映画。

 

民放テレビで放送していたアメリカ映画「ソーシャル・ネットワーク」。

2010年の作品。

監督デビッド・フィンチャー、出演ジェシー・アイゼンバーグアンドリュー・ガーフィールドほか。

マーク・ザッカーバーグがいかにしてFacebookを創設したかを描いた映画。