善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きのうのワイン+映画「哀愁」「メトロポリス」ほか

イタリアの赤ワイン「ヴェネト・ロッソ・アンターレ(VENETO ROSSO ANTALE)2017」

(写真はこのあと豚ステーキ)f:id:macchi105:20210223103055j:plain

アンターレは、北イタリアのロンバルディア州コモ地区で1895年設立の長い歴史を持つ家族経営のワイナリー。

ブドウ品種はコルヴィーネ、メルロ。

深いルビー色で、調和のとれた味わい。

 

ワインの友で見たのはNHKBSで放送していたアメリカ映画「哀愁」。

1940年の作品。

監督マービン・ルロイ、出演ビビアン・リーロバート・テイラー、ルシル・ワトソン、バージニア・フィールドほか。

 

原題は「WATERLOO BRIDGE」。

ウォータールー橋はロンドンのテムズ川に架かる橋の名前。

第一次大戦下のロンドン。陸軍大尉のロイ(ロバート・テイラー)とバレエの踊り子マイラ(ビビアン・リー)は、空襲のさなかウォータールー橋で出会う。

互いに強くひかれ合った2人は結婚の約束をするが、その直後にロイは出征となり、やがてマイラのもとにはロイが戦死したという知らせが届く・・・。

愛し合いながらも戦争によって引き裂かれてしまう悲恋を描いたメロドラマの名作。

ビビアン・リーロバート・テイラーが2人とも若くて美しくてハンサム。

前年の「風とともに去りぬ」では強く、激しく生きていく女性を演じたビビアン・リーが、この映画では一転して薄幸のか弱い女性を演じている。

だが、あまりにも悲しい物語。

 

今や大阪・通天閣の名物ともなっているビリケンの人形が、幸せを呼ぶマスコットとして登場している。

 

日本では「蛍の光」として知られる「Auld Lang Syne」が随所で流れる。

ロバート・テイラー演じるロイはスコットランドの名家の御曹司で、この曲はスコットランドに古くから伝わる民謡であり、準国歌的な曲という。新年とか何かの披露宴、誕生日などで歌われ、欧州議会がイギリスのEU脱退をめぐる協定案を可決したとき、議員らは総立ちになってこの曲を大合唱したという。

 

ところで、「蛍の光」は「Auld Lang Syne」のメロディーに日本語の歌詞をつけたもので、明治のころ、外国の歌に日本語の歌詞をつけて小学唱歌とした一連の曲のひとつだが、もうひとつ、まるでそっくりな曲に「別れのワルツ」がある。

実はこれも原曲は「Auld Lang Syne」で、古関裕而編曲によるもの。ただし、よく聞くと「Auld Lang Syne」とも「蛍の光り」とも違っていて、原曲が4拍子なのに対して「別れのワルツ」はワルツだけに三拍子。「蛍の光」が明治時代から歌われているのに対して、「別れのワルツ」ができたのは戦後になってから。

映画「哀愁」は日本では1949年に公開されて大ヒット。「ウォータールー橋」を「数寄屋橋」に置き換えて菊田一夫作の「君の名は」がラジオで流れ、放送中は銭湯がガラガラになったといわれるほど、こちらも大ヒットしたが、映画の中で流れた曲をワルツにアレンジしてレコード発売しようと、コロムビアレコードが専属作曲家だった古関裕而に編曲を依頼。「古関裕而(こせき・ゆうじ)」の名前をもじった「ユージン・コスマン楽団」による「別れのワルツ」としてリリースされた。当時の人々は外国録音のレコードと信じて疑わなかったとの逸話が残っている。

「別れ・・・」というだけあって、パチンコ屋とかデパートなどで閉店時間になると流れるBGMがこの曲だ。

 

ついでにその前に観た映画を紹介。

民放のBSで放送していたアニメ映画「メトロポリス

2001年公開の作品。

監督・りんたろう、脚本・大友克洋、音楽・本多俊之

 

手塚治虫の同名漫画「メトロポリス」をアニメ化。

ケンイチ少年とその叔父、私立探偵ヒゲオヤジこと伴俊作は、人とロボットが共存する大都市メトロポリスへやって来た。生体を使った人造人間製造の疑惑で国際指名手配されている科学者ロートン博士を逮捕するためだった。

メトロポリスは「人とロボットの共存都市」といわれていたが、実際にはロボットたちが人間に酷使されていた。一方、労働者たちもロボットに働き口を奪われ、都市の地下部に押し込められ、ロボットに憎しみをたぎらせていた。

ヒゲオヤジとケンイチは、ロボット刑事ペロの手助けを借りて、ロートン博士が潜伏していると思われる都市の地下部ZONE1へと潜入する。そこでケンイチはナゾの少女と出会う。彼女はメトロポリスの実権を握るレッド公の亡き娘・ティマに瓜二つだった。そうとは知らないケンイチは彼女を連れ脱出を図るが・・・。

 

ケンイチやヒゲオヤジ、ロック、ランプなど、手塚作品によく登場する懐かしい顔が出てくる。

原作の「メトロポリス」は1949年(昭和24年)、手塚治虫が20歳ぐらいのときの作品。やっぱり“マンガの神様”は天才だ。

 

民放の地上波だったかで放送していたアメリカ映画「ソードフィッシュ

2001年の作品。

原題も「SWORDFISH」。直訳すればメカジキのことだが、かつてアメリカ麻薬捜査局の実際にあった極秘捜査に「ソードフィッシュ作戦」という大規模なおとり捜査があり、このとき犯罪組織のマネーロンダリングのためのニセの口座が開設された。捜査は複数の大物政治家、銀行幹部などを含む一斉検挙が行われて幕を閉じたが、今も秘密裏に巨額のカネが銀行に眠っているという設定で、ハッカーがそのカネを奪おうと争奪戦を演じる物語。

 

監督ドミニク・セナ、出演ジョン・トラボルタ、ヒュー・ジャック、ハル・ベリーほか。

 

映画のクライマックスに、大型バスを乗客ごと吊り下げる奇妙な形をした巨大ヘリが登場して度肝を抜かれるが、「エリクソンS-64〝スカイクレーン〟」というホンモノのヘリらしい。