やはり観光客(特に団体の)がメチャ少なく、ゆっくりと見て回る。
石川五右衛門の「絶景かな」で有名な三門。
なるほどデカイ。
国宝の方丈を見学。
虎の子渡しの庭は小堀遠州作。
大方丈の各室に桃山時代の狩野派の障壁画があるが、どれも複製。
ただし、小方丈の狩野探幽作「水呑みの虎」だけはホンモノで、さすがにすばらしい。
いかにデジタル技術を使って精巧に複製したとしても、ホンモノとニセモノとではまるで違う。
虎の子渡しの庭を望む広縁の頭上には、左甚五郎作の両面透かし彫りの欄間彫刻があり、竹にかみつく虎が見事だ。
法堂の「雲龍図」。
明治から大正にかけて活躍した日本画家・今尾景年による大作。
創建当時の法堂は応仁の乱で焼失し、その後も再建されたものの焼失を繰り返し、現在の法堂は1909年(明治42年)に再建され、雲龍図もその際に描かれた。
普段、法堂には入れないが外からのぞくことはできる。
とぐろを巻いた龍というので「幡龍」というのだそうだ。
ところで南禅寺には、ハテここはどこ?もしかして古代のローマ?といぶかるような場所もある。
ローマの水道橋のようなアーチ形をした、赤レンガと花崗岩でつくられた水路閣だ。
水路閣は全長93.2m、高さ14m、幅4m。
まさしく古代ローマの水道橋をモチーフに重厚なレンガ造のアーチ橋として造られたもので、南禅寺のど真ん中の法堂と南禅院の間にある。
1890年(明治23年)、琵琶湖の水を京都市内に通すためにつくられたもので、おかげで飲料、工業、灌漑、水運と京都の近代産業の発展に大きく貢献したという。
いくら京都の振興のためとはいえ、よくも南禅寺という歴史的な寺の境内にこんな巨大な近代建築様式の構造物をつくったものだと思うが、完成130年もたってみると、けっこうお寺の境内にマッチした景観がかたちづくられている。
何でも、今やこのレンガ造のアーチ橋は京都が誇る名所のひとつとなっていて、ここを目当てに訪れる若いカップルも多いとか。
京都の近代化のシンボルとして、京都市指定史跡となっている。
夕方、新幹線で東京へ。
荻窪駅近くの「おざ」でイッパイ。
料理の数々。
酒は山口の「雁木」、秋田の「鳥海山」、長野の「瀧自慢」、同じく長野の「大信州」。
(京都散歩 終わり)