善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

巾着田のヒガンバナ

テレビのローカルニュースで「巾着田(きんちゃくだ)に咲く500万本のヒガンバナが満開」というニュース映像を見て、翌日(3日)の朝、出かけていく。

たしかに例年なら彼岸のころに満開となるヒガンバナが、今年は開花が遅れて10月になっても咲いている。巾着田では今週末の6日ぐらいまでが見ごろだという。

 

最寄り駅は西武池袋線高麗駅

駅前にはトーテムポールみたいな真っ赤に塗られた2本の柱が立っていた。f:id:macchi105:20191004090713j:plain

右側の柱は「天下大将軍」、左側は「地下女将軍」と記されていて、それぞれの柱のテッペンは怖い顔がにらみを利かせている。f:id:macchi105:20191004090735j:plain

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将軍標(チャンスン)と呼ばれるもので、朝鮮半島に古くから伝わる習俗だという。

柱に刻まれた「天下」「地下」の文字は目に見える世界から目に見えない世界まですべてを守ることをあらわし、魔除けとしての役割を持っているようだ。

 

「高麗」の駅名にもある通り、このあたりは朝鮮ゆかりの地。「続日本紀」によれば、668年に滅亡した高句麗からの渡来人のうち、東国に住む1799人を716年に新たに設置した高麗郡に移したとある。その高麗郡の中心が巾着田周辺の高麗本郷であり、2016年には高麗郡建郡1300年記念祭が盛大に行われたという。

 

途中にあった「水天の碑」。

天保時代に繰り返された干魃、大洪水などの天災や水難事故を鎮めるため、村の人々が建立したものだとか。f:id:macchi105:20191004090932j:plain

途中の道々には色鮮やかなコスモスが咲いていた。 

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高麗駅から10分ぐらいのところにあるのが「曼珠沙華公園」。

一面のヒガンバナ。なかなか壮観だった。

平日の午前中というのに訪れる人も多かった。f:id:macchi105:20191004091025j:plain

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しかし、巾着田は子どものころ学校の遠足で行ったりして昔からから知っているが、これほどのヒガンバナの名所とは知らなかった(日本一の群生地だという)。

歴史をひもとくと、巾着田ヒガンバナは昔からこれほど見事だったわけではなかったようだ。話は1960年代にさかのぼる。このころ巾着田の用地を当時の日高町が取得。利用方法をあれこれ議論しているうちにさらに何十年かたったころ、荒れ放題だった河川敷地の草刈りを始めたらそこにはヒガンバナが群生しているのがわかったという。

巾着田の地名の由来は、日高市内を流れる高麗川が蛇行し、近くの日和田山の山頂あたりから見るとまるで持ち歩き用の小物入れの巾着に似ているというので「巾着田」と呼ばれるようになったというが、河川の増水時などには上流からいろんなものが流れてきて、どうしてもそこに溜まるようになる。中にはヒガンバナの球根も混じっていて、やがて根づいていったのではないかといわれている。

もちろん、その後の球根を増やし育てていった地元の人たちのご苦労もあったに違いないが、ヒガンバナの群生はますます規模を拡大し、多くの人たちの関心を引くようになっていったのだという。

 

これだけ群生している理由の1つには、ヒガンバナアレロパシー(多感作用)もあるようだ。ヒガンバナアルカロイド系の有毒物質を持っていることが知られている。植物などが持つ毒性物質が環境に放出されることによって、ほかの生き物に直接または間接的に影響を与える作用のことをアレロパシー(多感作用)というそうが、それによってほかの植物の生育を抑制し、自らの陣地を拡大して行ったと考えられている。

 

巾着田ヒガンバナを見たあとは、「高麗の里を訪ねるコース」を巡ろうと歩き出す。

まずは満蔵寺。

ポツンと建っている地蔵堂f:id:macchi105:20191004091211j:plain

満蔵寺は真言宗智山派の寺で、創建年代は不詳だが僧慶順による開山と伝えられる。地蔵堂は昔から開かずの扉といわれ、この中に祀られている地蔵菩薩は運慶の作といわれる、と由緒書きにある。

ホントか?と思って扉の隙間からのぞくが、暗くてよく見えなかった。

 

道端にきれいな黄色い花が咲いていた。キバナコスモスをもっと黄色くしたような鮮やかな色だった。f:id:macchi105:20191004091246j:plain

道祖神f:id:macchi105:20191004091327j:plain

陽気のせいか、季節外れのヤマザクラ?が咲いていた。f:id:macchi105:20191004091349j:plain

 民家の屋根にとまっていたのはヒョウモンチョウか。f:id:macchi105:20191004091412j:plain

アオスジアゲハが蜜を吸いにやってきていた。f:id:macchi105:20191004091432j:plain

高い木の上で鳥の声。

見上げると、鋭いクチバシの鳥だった。f:id:macchi105:20191004091505j:plain

このあたりはクリの産地としても知られ、どの木にも大きくて立派なクリが実っていた。f:id:macchi105:20191004091528j:plain

 そのまま「高麗の里を訪ねるコース」を歩いて高麗駅に戻る予定だったが、歩き疲れてエスケープすることにし、八高線高麗川駅へ。

近くにそば屋はないかとチェックし、拝島駅から歩いて8分ほどのところにある「あづま屋」という店で昼食。

 

ビールのあとは地元拝島の酒、多満自慢

 つまみは川エビの素揚げ。f:id:macchi105:20191004091618j:plain

生ユバ。f:id:macchi105:20191004091638j:plain

平日ランチの天もり。f:id:macchi105:20191004091657j:plain

そばは石臼挽きによる自家製粉の二八そばだそうで、本日のそば粉は北海道産。

 

本日の歩数、約19000歩。

よく歩いた。