デイヴィッド・ゴードンの『ミステリガール』(ハヤカワ・ポケット・ミステリ)を読む。
『二流小説家』でベストミステリ3冠(「このミステリーがすごい! 1位」「週刊文春ミステリーベスト10 1位」「ミステリが読みたい! 1位」)に輝いたデイヴィッド・ゴードンの長編2作目。訳・青木千鶴。
前作は二流小説家が主人公だったが、今回は二流どころか本の出版さえまだの小説家志望のサムが主人公。
働いていた古書店が潰れて無職になり、妻からも突然別れを切り出され、絶望のどん底に沈んでいたサムは、探偵助手の仕事を見つけ再起を図る。ところが、怪しげな巨漢の探偵ロンスキーに命じられたのは、ナゾの美女(ミステリガール)の素行調査だった──。
前作は二流小説家が主人公だったが、今回は二流どころか本の出版さえまだの小説家志望のサムが主人公。
働いていた古書店が潰れて無職になり、妻からも突然別れを切り出され、絶望のどん底に沈んでいたサムは、探偵助手の仕事を見つけ再起を図る。ところが、怪しげな巨漢の探偵ロンスキーに命じられたのは、ナゾの美女(ミステリガール)の素行調査だった──。
物語の本筋より、主人公と脇役陣が織りなす日常がおもしろかった。
映画オタクのレンタルビデオ店員マイロ、かつて主人公が働いていて、不景気で潰れた古書店の主人MJ(メアリー・ジェイン)との友情がよく描けていて、若かりしころの自分の青春時代を思い出す。日本もアメリカも根っこのところでは同じなんだなーと思う。
映画オタクのレンタルビデオ店員マイロ、かつて主人公が働いていて、不景気で潰れた古書店の主人MJ(メアリー・ジェイン)との友情がよく描けていて、若かりしころの自分の青春時代を思い出す。日本もアメリカも根っこのところでは同じなんだなーと思う。
3人の映画談義、文学談議もおもしろいが、往年のモノクロ映画からカンフー映画、西部劇に至る映画の話は、日本でも公開されている映画が多いだけに身近に感じる。
たとえばこんなシーンがあった。
主人公のサムが最愛の妻を失う可能性に直面しているとき、どんな映画をみたらいいか、マイロと議論になる。
『マディソン郡の橋』『イングリッシュ・ペイシェント』『食べて、祈って、恋をして』とかの映画の題名が出て、「『グッドフェローズ』か『ゴッドファーザー』はどうだ?」とサム。
マイロ「それなら『ショア』は?」
サム「ルノワール監督の『ゲームの規則』は?」
ヒッチコックの『マーニー』『北北西に針路をとれ』『ダイヤルMを廻せ』『めまい』と出て、結局、最後に落ち着いたのはコーエン兄弟の『ビッグ・リボウスキ』だった。
(まだ未見。そういわれると見たくなった)
主人公のサムが最愛の妻を失う可能性に直面しているとき、どんな映画をみたらいいか、マイロと議論になる。
『マディソン郡の橋』『イングリッシュ・ペイシェント』『食べて、祈って、恋をして』とかの映画の題名が出て、「『グッドフェローズ』か『ゴッドファーザー』はどうだ?」とサム。
マイロ「それなら『ショア』は?」
サム「ルノワール監督の『ゲームの規則』は?」
ヒッチコックの『マーニー』『北北西に針路をとれ』『ダイヤルMを廻せ』『めまい』と出て、結局、最後に落ち着いたのはコーエン兄弟の『ビッグ・リボウスキ』だった。
(まだ未見。そういわれると見たくなった)