『死せる獣 殺人捜査課シモンスン』(ハヤカワ・ミステリ)を読む。
ユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q』シリーズと同じくデンマークの警察小説。作者は大学講師と看護師の50代の兄妹コンビ、ロデ&セーアン・ハマ。
コペンハーゲン警察本部殺人捜査課課長コンラズ・シモンスンは、突然休暇から呼び戻された。学校の体育館で、謎の配置と仕掛けで首を吊られた五人の男性の遺体が見つかったからだ。男たちは幼児性愛者らしい。犯人擁護の世論が高まり捜査は難航するが、コンラズは犯人をおびきよせる罠を仕掛ける─。
前評判がよかったので読み始めたが、なかなか前に進まない。何とか読み終えたものの、終始退屈した。
おそらく翻訳の問題だろう。そこが翻訳物を選ぶときの難点で、ヘタな訳者にかかるとおもしろいはずのものもつまらなくなる(途中で投げ出さずに何とか最後まで読んだということは、内容自体はよかったはずだ)。
おそらく翻訳の問題だろう。そこが翻訳物を選ぶときの難点で、ヘタな訳者にかかるとおもしろいはずのものもつまらなくなる(途中で投げ出さずに何とか最後まで読んだということは、内容自体はよかったはずだ)。
本書の訳者は仏語、英語が専門で、デンマーク語は解さないらしく仏語版からの重訳であるという。そういうハンデもあるかもしれないが、それ以前に日本語の文章自体がおもしろくなく、意味不明な箇所もあった。
翻訳物は訳者をこそ選ぶべきなのだろう。これ教訓(って、当たり前のことだが)。
そういえば最近読んだミステリーで『ブラッド・ブラザー』もイマイチだったが、こちらは翻訳はしっかりしてたが内容がもうちょっとだった。うまくいかないもんだ。
本書を読んでいて“興味深かった”のは、主人公のシモンスン警部補が糖尿病を患っていたこと。甘い物好き、たばこ好きで、病気の治療をしっかり受けてないらしく、部下からたしなめられるシーンがある。
そういえばスウェーデンの作家ヘニング・マンケルの『背後の足音』でも、警部のヴァランダーは糖尿病だった。
小説の主人公まで平気で糖尿病になっているのだから、ヨーロッパではこの病気はいまや普通の病気なのだろうか。
そういえばスウェーデンの作家ヘニング・マンケルの『背後の足音』でも、警部のヴァランダーは糖尿病だった。
小説の主人公まで平気で糖尿病になっているのだから、ヨーロッパではこの病気はいまや普通の病気なのだろうか。
しかし、もちろん放置できないから、いろんな対策がとられているはずだ。
糖尿病の原因の1つが肥満であり、脂肪摂取過多。つまり食事との関係が深い。
それでなのか、2011年10月からデンマークでは脂肪に対して課税する「脂肪税」とかいう課税制度が導入されているという。
糖尿病の原因の1つが肥満であり、脂肪摂取過多。つまり食事との関係が深い。
それでなのか、2011年10月からデンマークでは脂肪に対して課税する「脂肪税」とかいう課税制度が導入されているという。
バターやチーズ、牛乳などの乳製品や肉類、食用油、加工食品など、飽和脂肪酸が2.3%以上含まれる食品に対して、飽和脂肪酸1kg当たり16クローネ(約220円=導入当時)の税金を徴収するというもの。つまり単に「脂肪」というより、食品中の飽和脂肪酸が課税の対象になっている。
一方、糖尿病になりにくい脂肪のとり方というのがある。それは不飽和脂肪酸、その中でもオメガ3系(n-3系)脂肪酸を積極的にとることだ。オメガ3系は何に含まれるかというと、イワシやサバなど魚介類に多く含まれ、日本では昔ながらの食生活の中で摂取してきた。しかし、最近は魚を食べる機会がめっきり減ってきているのが日本人の食生活だ。
そういっている自分は? とジッとおなかを見る。とても他人ごとではない。