善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

放射能とムラサキツユクサ

日曜日朝の善福寺公園は曇り。雲が厚い。

上池では今年も七夕飾りにいろんな願い事がつるされていた。
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「サッカー選手になりたい」「勉強ができるようになりたい」などかわいい願い事に混じって、「大金持ちになりたい」とかいうのもあって書いたのは女の子。

下池ではキョウチクトウが咲き出した。
池をめぐっていると、見慣れぬ赤い花。近寄ってみる。まだ蕾のようだ。
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葉っぱはアジサイのようだが、アジサイとはちょっと違う感じ。
帰って調べたら、どうやらボタンクサギ(牡丹臭木)というらしい。
クマツヅラ科クサギ属の半耐寒性落葉低木。蕾が開くと、小さな薄紅色(濃桃色)の五弁花を多数集合させた手鞠形(半球状)の美しい花穂を咲かせるという。

でも、蕾の紅色も美しい。開花時よりも一段と鮮やかな色をしていて、花もいいけど蕾も人気だとか。

それにしても臭木とは。花穂はボタンに似ており芳香があるが、枝や葉には独特の臭気があり、それでこう呼ばれているという。
今度開花したときに匂いをかいでみよう。

公園のそばのギャラリーにたわわな花をつけたアジサイがあった。
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帰りに善福寺に寄ると、可憐なムラサキツユクサの花。
米原産の園芸植物。ツユクサムラサキツユクサ属。
明治のはじめに渡来して野生化したとか。朝に花が開き午後にはしぼんでしまう1日花。
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ムラサキツユクサ放射線との関わりが深い。
ムラサキツユクサの青とピンクの遺伝子の組み合わせは、微量の放射線と遺伝の関係を調べる上で格好のものなのだそうで、放射線が生物細胞(当然、人間も含めて)に与える影響を解明する上で役に立つ。

ムラサキツユクサのおしべ。
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おしべの毛は一列に並んだ細胞から成り立ち、先端部分の細胞分裂を繰り返して発達する。それが、放射線などの影響で青の優性遺伝子に突然変異が起こるとピンクになり、それを容易に観察できるのだという。

これまで、低線量あるいは微量の放射線が人体を含め生物に与える影響についてはほとんどわかっていなくて、このため「微量なら安全」と盛んに宣伝されてきたが、ムラサキツユクサの研究により微量でも突然変異を起こすことが証明されている。

この研究で知られるのは埼玉大学教授だった市川定夫氏で、氏が著した『環境学』(藤原書店)は不滅の名著だ。