善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きょうの「ゲゲゲの女房」

きょうの「ゲゲゲの女房」。
布美枝(松下奈緒)は病院で検査を受け、わが子の妊娠を知るが、茂(向井理)にどう伝えようかと悩んでいると、下宿人で売れない漫画家の中森(中村靖日)が、漫画をあきらめて郷里へと帰るという話を聞く。「子どもがいると大変だ」と嘆く茂を前に、ますますわが子の誕生を切り出せなくなる・・・。

最低の視聴率で始まった「ゲゲゲの女房」だが、このところ視聴率が上向いているという。なぜなのか。
今までの朝ドラというと、目標に向かってガンバッてるヒロインを描いたものが多かったが、今回の主人公は“普通の主婦”の物語。ヒロインはむしろ“観察者”という感じだ。
彼女が見つめるもの、それは、人々が貧しくとも精一杯生きている昭和の時代。視聴者も同じ視点からドラマを見つめ、ある者は懐かしく思い、ある者は自分が失ったものに気づき、ある者は新鮮な感動を覚えるのではないか。

下宿していた中森は、漫画家として生きていくことを諦め、郷里に帰ることになるが、そういえば“ギャグの天才”といわれた赤塚不二夫も、トキワ荘にいた時代、まるで売れなくて貧乏に耐えられなくなり、漫画家をやめて新宿のクラブのボーイになることを決意したことがあったという。そのとき、先輩格の寺田ヒロオが金を貸してくれ、もう少しがんばれとはげまされ、その後、偶然舞い込んだ週刊誌の仕事で人気が出て、その後の赤塚漫画に発展していった。

貧乏が当たり前だった時代。それでも夢を失わず、がむしゃらに生きる人々。ドラマを見ていても、当時の貧しい暮らしぶりがよく描かれているが(役者が現代チックなのはしょうがないか・・・)、かつて「おしん」に共感したように、「貧しさ」には、人の本質が潜んでいるのだろうか。