善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

憎まれカラス

善福寺公園の入り口(上池の藤棚がある方)付近で、作業服姿の男性2人に、2羽のカラスが執拗に威嚇攻撃をしている。

たぶん、都から委託されたのだろう、作業員は巣の撤去作業を行っていて、落ちた巣にはヒナもいる。親鳥はヒナを守ろうと盛んにギャーギャーいっている。ときおり急降下して鋭いクチバシでつっつこうとするものだから、ヘルメットをかぶった作業員も逃げまどうばかり。

カラスとて野鳥の一種だから鳥獣保護法で守られていて、勝手につかまえたり、殺したりすることはできない。しかし、農作物に被害が出ているとか、人に迷惑をかけるとかいう場合に限って、有害鳥獣捕獲の許可を受けて捕獲することができるそうだ。

それにしても、カルガモのヒナが生まれれば、みんなして「かわいい」「立派に育ってね」と見守ろうとするが、同じ野鳥でもカラスとなると「迷惑だ」「さっさと撤去して」となるのはどういうわけか。

ゴミをあさったり、繁殖期になると巣のそばを通る人間を威嚇したりと、迷惑行為ばかりするからなのだろうが、ゴミあさりは人間がしっかりゴミを管理すれば解決する問題だし、繁殖期にいきり立つのはカラスに限らずどんな動物も同じこと。

人間もそうだが、生きものにとって種の保存は死活問題。スズメバチが人を刺すのも、巣を守ろうとする本能にもとづくもの。それで、繁殖期にはなるべくスズメバチの巣には近づかないようにしましょうと注意喚起される。それならカラスだって繁殖期には巣に近づかないようにすればいいものを、憎まれカラスはどうしても損な役回りらしくて、「けしからん、すぐに巣を撤去せよ」となる。

別にカラスに味方するわけじゃないけども、わが子を守ろうと必死になっている親鳥を見ると、ちょっぴり同情してしまった。

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