善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きのうのワイン+映画「インサイダー」

アルゼンチンの赤ワイン「ロ・タンゴ・マルベック(LO TENGO MALBEC2018 
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アルゼンチンを代表する品種マルベックを使用。柔らかな口当たりのワイン。
 
ワインの友で見たのは昼間NHKBSで放送していたアメリカ映画「インサイダー」。
1999年の作品。
 
アメリカの三大ネットワークの1CBSの人気番組「60ミニッツ」のプロデューサーであるバーグマン(アル・パチーノ)は、たばこ会社の秘密書類を入手し、調査をすすめるうち、たばこ会社で研究開発を担当し、副社長にまで上り詰めたものの不正を知っているワイガンド(ラッセル・クロウ)と接触するが、特ダネになるはずの極秘インタビューはたばこ産業からの圧力で放送中止なり、ワイガンドは社会的な苦境に追い込まれてしまう…。
 
「インサイダー」とは内部告発者のこと。たばこの有害性をたばこメーカーの内部から告発しようとする技術者と、これを応援するテレビ番組のプロデューサーが巨大組織と戦う姿を描いた作品。
 
かつて原発の危険を告発した映画「チャイナ・シンドローム」を思い出した。あの映画でも、原発取材中に事故に遭遇し真実を伝えようとする女性リポーター(ジェー・フォンダ)と、ずさんな管理の実態に気づき事故を防ぐために内部告発に踏み切った原発管理者(ジャック・レモン)、そして事実をひた隠しにして揉み消そうとする利益優先の経営者たちとの対決を描いていた。
 
チャイナ・シンドローム」でインサイダーのジャック・レモンは卑劣な会社側からの陰謀に苦境に立つが、「インサイダー」でも、会社側はワイガンドの過去までほじくり出して社会的に抹殺しようとし、ついにはテレビ局にまで圧力をかけ、番組を葬り去ろうとする。
せっかく立ち上がってくれたインサイダーを守ることもできず、窮地に追いやられたプロデューサーのバーグマンの起死回生の策は、彼自身がインサイダーとなって自分が所属するテレビ局を告発することだった。
 
実話を元にしているというが、よくここまで実名で描けたものだと思う。
圧力に屈せず、真実を貫き通そうとする2人の男に、しびれた。
忖度しかできない日本の官僚や大手メディアに見せたい映画だった。
 
ついでにその前に見た映画。
フランス映画「終電車
1980年の作品で、製作・監督・脚本フランソワ・トリュフォー。出演はカトリーヌ・ドヌーブジェラール・ドパルデュー、ジャン・ポワレほか。
戦時下のパリを舞台にモンマルトル劇場を守ろうとした女優と、とりまく男たちの物語。
シェルブールの雨傘」では初々しかったカトリーヌ・ドヌーブ(この映画のとき21歳)の成熟した演技(「終電車」は37歳)。
役者の成長ぶりが見られるのも映画のよさ。