善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

スオウとブラジルの関係

火曜日朝の善福寺公園は快晴。北風が強い。だからなのか余計に青さが際立つ。

スオウの花が咲いていた。
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漢字で書くと「蘇芳」。マメ科の落葉小喬木でインド、マレー半島地域が原産とされている。紅のやや紫がかった色合い。この色はブラジレインという色素によるものだが、日本においては古来、赤色染料として用いられていて、「延喜式」には「蘇芳染め」が載っているという。
 
もちろん、染料に用いるのは花ではなくて木質であり、これを煎じて灰汁(あく)を触媒にすると紫赤色となり、さらにフノリを混ぜると生血のようになって歌舞伎の小道具として使われた。
 
スオウは原産地のインドではブラジルあるいはブレジルと読んでいたという。
あるいはヨーロッパ人がそう呼んでいたのかもしれないが、1500年、南アメリカに上陸したポルトガル人は、そこで目にした植物がスオウ(すなわちインド名でブラジル)とあまりにも似ているのでスオウ(ブラジル)と勘違いし、上陸した地名をTerra do Brazil(ブラジルの木の国)とした。
これがブラジルの国名の起源になったといわれるんだそうだ。
 
では日本ではなぜスオウというのか?
元々マレー語ではSapangといっていて、これを中国語で音訳したものが日本に伝わってスオウとなった、との説があるらしい。
 
ギョイコウザクラ(御衣黄桜)も咲き出した。
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サトザクラの一種。よくウコンザクラと間違われるが、開花したばかりは淡い緑色だが徐々に黄色に変化していき、やがて花びらの中心部が赤く染まっていくのがギョイコウザクラの特徴。
 
変わった花があった。
「利休梅」と札がかかっている。
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原産地は中国で、明治の末に渡来したという。
ウメとあるがあまりウメには見えず、どっちかというとサクラに近い。
しかし、ウメもバラ科サクラ属でソメイヨシノと同じ属だから、たいして違いはないのかもしれない。
ちなみに利休梅はバラ科ヤナギザクラ属で、利休梅は俗称であり、渡来したときには「梅咲空木(ウメザキウツギ)」という和名がつけられたが、いつのまにかのちに名付けられた「利休梅」のほうが有名になってしまったという。