公園に着くと、上池の遠くの対岸に2羽のカワセミが近づいてとまっている。
上がメスのサクラで、下はオスの文二のようだ。
鳴き交わしたり、背伸びのポーズをとったりしているが、積極的なのはメスのほう。
夫婦関係は順調にいってるはずだが、ひょっとして文二じゃなくて別のオスか?
見た目ではまるでわからない。
池をめぐっていくと、さっきより少し離れた場所に再びサクラと文二らしいカワセミ。
今度は左にサクラで、盛んに鳴いて何か訴えている。
とうとうサクラのほうから近くに寄ってきた。
それでも反応がない様子で、しびれを切らしたのかサクラは飛び去っていった。
いったいどーなってるの?
下池では、だいぶ開花が進んでいるソメイヨシノにメジロの群れが蜜を吸いにやっていていた。
花の中にクチバシをつっこんでチューチュー。
実際にはブラシのようになっている舌の先でなめとってるらしいんだが。
お散歩仲間から、とても変わった植物が生えているのを教えてもらった。
ムサシアブミ(武蔵鐙)。
グローブみたいなのが仏炎苞と呼ばれる花だ。
サトイモ科テンテンショウ属の多年草で、関東以西、四国、九州、沖縄に分布するという。
花の形が鐙に似ていて(昔はグローブなんかなかった)、武蔵の国でつくられた鐙が良質であったことからこの名がついたという。
公園の隣のお宅の庭でリキュウバイ(利休梅)が咲いていた。
梅と名がつくがウメの仲間ではなく、原産地は中国揚子江下流域で明治末期に日本にやってきたという。
リキュウ(利休)の名の由来は、茶花として広く利用されたからとか、千利休の命日のころに咲くのでこの名がついたなどの説があるそうだ。
千利休の命日は旧暦の2月28日で、新暦では4月21日だが、表千家、裏千家では旧暦2月28日の1カ月後を利休忌として、3月27日(表千家)、28日(裏千家)に京都・大徳寺で利休を偲ぶ茶会が営まれる。
上池に戻ると、さきほどのメスのカワセミのサクラがオスからもらった魚をくわえているのだが、くわえ方がおかしい。
何と魚の頭を上にしてくわえている。
これはオスがメスに求愛のために魚をプレゼントするときのくわえ方だ。
ふつう、カワセミはとらえた魚を飲み込むとき、魚の頭から飲み込む。こうしたほうがエラとかヒレなどがのどに引っかかったりしないからだ。
逆に求愛給餌でオスがメスに魚を与えるときは、相手が飲み込みやすいようノドのほうに尻尾がきて頭を上にする。
ということは、サクラのくわえ方は相手に魚をプレゼントするときのポーズだ。
サクラはいったい誰に魚をあげようとしているのか、はて?
まさかメスのほうからオスに求愛のポーズ?
まさかヒナが生まれてるわけないし・・・。