善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

色あせない風景 滝平二郎の世界展

三鷹三鷹市美術ギャラリーで開催中の「色あせない風景 滝平二郎の世界展」を見に行く。

その前に、夏至も近いのでハンゲショウ半夏生)が咲いてないかと近所のお寺に寄る。
たしかに咲いていたが、去年はもっとたくさん咲いていたはずだが、今年は数が少なく、ドクダミの花ばかりが目立っていた。
イメージ 1

近くに、萼が八重になっているガクアジサイが咲いていた。
シチダンカに似ているが・・・。
イメージ 2

三鷹市美術ギャラリーはJR三鷹駅の真ん前のビルの5階にある。
滝平二郎は「きりえ作家」として知られる版画家。
2009年に88歳で亡くなっている。

切り絵って昔からあったのかと思ったら、鑑賞する絵としての切り絵を始めたのは滝平二郎が最初のようだ。切り絵そのものは昔からあったが、その用途は染め物の型紙として使われるなど伝統工芸の技として伝えられてきた。
切り絵そのものを作品にしたのが滝平二郎だった。
それでも従来からある「切り絵」と区別するため、彼は「きりえ」と呼んでいる。

本展は、彼の画業を振り返り、初期のころの木版画から、きりえへと移行した中期の絵本原画、朝日新聞に連載したきりえの原画などが一挙に展示されていた。
イメージ 3

初期のころの木版画もどれも見事で、骨太で力強い感じ。
それが、途中から木版画がきりえみたいにスパッと刃物で切った感じの太い線が強調されるようになり、やがてきりえと木版を組み合わせたりして、ついにはきりえだけになっていく。

滝平二郎の作品づくりは、彼が青年のころに体験した悲惨な戦争体験がひとつの原点になっていることも本展を見て知った。
彼は太平洋戦争で徴兵され、沖縄戦に従軍し、捕虜となって終戦を迎えたという。
このときの体験から、侵略戦争を許さず、平和を求める思いを強くし、その願いを作品づくりにも込めていたようだ。

「ベロ出しチョンマ」「八郎」「ゆき」「三コ」「花さき山」「モチモチの木」などなど、どの作品も永遠に伝えていきたいものばかりだ。

美術館を出たのはちょうどお昼どきだったので、同じビルの3階にあるそば屋へ。
生ビールと、つまみは鴨のたまり漬け。
イメージ 4

〆はそば。味はふつうだった。
イメージ 5