すばらしかったのは「渡海屋・大物浦」の仁左衛門。
壇の浦の合戦で死んだはずの平知盛が実は生きていて、船宿の主人に身をやつして源氏への復讐の機会を狙うという物語。
仁左衛門の渡海屋銀平実は新中納言知盛、時蔵の女房お柳実は典侍の局、梅玉の源義経ほか。
壇の浦の合戦で死んだはずの平知盛が実は生きていて、船宿の主人に身をやつして源氏への復讐の機会を狙うという物語。
仁左衛門の渡海屋銀平実は新中納言知盛、時蔵の女房お柳実は典侍の局、梅玉の源義経ほか。
今回は前から3列目の中央付近で観たが、これがよかった。
瀕死の仁左衛門の吐息が聞こえる。
様式美の中のリアリズムがあった。
以前、「伽羅先代萩」の玉三郎をみて現代劇に通じるリアリズムを感じたが、きのうの仁左衛門のは様式美の演技がすなわちリアリズムだった。
瀕死の仁左衛門の吐息が聞こえる。
様式美の中のリアリズムがあった。
以前、「伽羅先代萩」の玉三郎をみて現代劇に通じるリアリズムを感じたが、きのうの仁左衛門のは様式美の演技がすなわちリアリズムだった。
ただ、いよいよ仁左衛門の知盛が満身創痍となって岩に登っていくとき、チャンバラのバックミュージックでよく聞く三味線の曲「千鳥の合方」が流れた。
それを聞いてチャンバラ映画を連想してしまったが、実は「千鳥の合方」とはもともと歌舞伎の海辺の場面なんかによく使われる音楽で、チャンバラ映画の方があとで拝借したものに違いない。
しかし、チャンバラ映画で育った世代としてはなんか浮かれた気分になってしまった。
それを聞いてチャンバラ映画を連想してしまったが、実は「千鳥の合方」とはもともと歌舞伎の海辺の場面なんかによく使われる音楽で、チャンバラ映画の方があとで拝借したものに違いない。
しかし、チャンバラ映画で育った世代としてはなんか浮かれた気分になってしまった。