善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

初々しい萌黄色 御衣黄桜咲く

木曜日朝の善福寺公園は快晴。風はなく、春の陽気。

 

上池を1周するも、カワセミの姿は見られず。

カイツブリもこのところ姿を見せてなくて、カモの姿もあまりない。

 

巣から出てきたらしいエナガがサクラの木にとまった。

卵を温めていたのだろう、尾っぽの先がちょっと曲がっている。

 

下池をめぐっていると、カワセミの声が聞こえる。

しかも鳴き交わす声だ。

声を頼りに探すと、カワセミがとまっていた。

前からきていて観察していた善福寺池カワセミに詳しいカワセミ・ウオッチャーによると、上池にいたメスのヤエちゃんとオスのマルちゃんが下池に引っ越してきたらしい、という。

マルちゃんがヤエちゃんに求愛給餌をして、交尾をするところも見たという。

ヤエちゃんとマルちゃんは上池で順調に愛を育んでいたかに見えたが、巣づくりに苦労している様子だった。それで下池に引っ越してきたのか。

あるいは、上池より下池のほうがエサをゲットしやすいのか。

いずれにしろ、子づくりに励んでいるらしいのはよかった。

 

池のほとりのギョイコウザクラ(御衣黄桜)が咲き始めていた。

ソメイヨシノが散り始めるころから咲き出すが、何より特徴は花の色。

開花したばかりは淡い緑色で、徐々に黄色に変化していき、やがて花びらの中心が赤く染まっていく。

花の変化を毎日楽しめるのもいい。

御衣黄の名前は江戸時代中期から見られ、その由来は貴族の衣服の萌黄色(もえぎいろ)に近いことからという。

 

萌黄色(もえぎいろ)とは、芽吹いたばかりの葉の色を思わせる鮮やかな黄緑色をいう。

平安時代の「宇津保物語」「今昔物語」「紫式部日記」などにも貴族が着る御衣に萌黄色が使われていたことが書かれている。

また、萌黄色は若者の初々しさの象徴としても表現されたようで、「平家物語」では18歳の平敦盛や20歳の那須与一が萌黄縅の鎧を身に纏っている様子が描かれている。

 

ヒメリンゴの白い花も咲いていた。

 

ポツネンとするアオサギの姿が水面に映っていた。

 

花が散ったサクラの木にシジュウカラがやってきた。

シジュウカラは花よりダンゴならぬ、新芽や虫だろうか。

 

公園のあちこちでツツジが咲き始めた。

初夏の足音が聞こえる。