上池をめぐっていると、カワセミが飛んできて枝にとまった。
多少ギョロ目の感じのオスのようだ。
コサギが黄色い長い脚の指を絡ませて、器用にロープにとまっている。
うしろの羽毛をよく見ると、ザンバラ髪みたいになっていて枝分かれしている。
鳥の羽毛の素材はヒトと同じくタンパク質の一種であるケラチンだが、羽軸・羽枝・小羽枝というパーツで構成されていて、たとえていうなら樹木の幹、幹から生える枝、枝から生える小枝のような3段階の構造になっているという。
枝分かれした羽毛を身にまとうことで、体温を保つとともに、美しい姿をわれわれに見せてくれているのだろうか。
人間の枝毛はあまりうれしくないが・・・。
下池を1周して再び上池に戻ると、さきほどとは別のカワセミ。
メスのようだが。
さらに池をめぐっていると、また別のカワセミ。
多少幼さが残るオスのようだ。
あちこち移動して忙しい。
紅葉したモミジの下にとまった。
すばやくダイブしてエサをゲットしたが、すぐに飲み込んじゃった。
帰り道、区立公園のツバキが咲き始めていた。
隣は赤いサザンカで、赤と白、紅白で咲いていた。
よくいわれるつことだが、サザンカは花びらが1枚1枚バラバラに落ちるが、ツバキは1つの花がそのままポトリと丸ごと落ちる。
なぜツバキの花はポトリと落ちるかといえば、鳥たちに筒の根元をくちばしでつつかれて蜜だけを横取りされないように、花の根元を丈夫な萼(がく)で守っているのだという。すると鳥たちは、筒の中にくちばしを入れないといけないので花粉を体に付着させることになり、花粉媒介の手伝いをすることになる。
ツバキの花は下向きに咲くが、これも花の戦略なのだとか。
花が下向きに咲いていると、鳥たちはゆっくり蜜を吸うことができない。これにより、蜜だけを奪われないようにしているのだとか。
しかし、下向きに咲いていると蜜が流れ出すおそれがあるので、雄しべと雄しべの間に細い溝を作り、毛細管現象で蜜を保つように工夫されているという。
それでも、鳥の方もなかなか賢くて、体の軽いメジロなどは、花びらに脚をひっかけてとまり、蜜をたっぷり吸う。
だからメジロがやってきたあとは、花びらにメジロの“脚跡”がついているのですぐわかる。
すると、隣の柿の木にメジロの群れ。
花の蜜と柿の甘い味の両方をねらっている。
次々とやってくるメジロ。
にぎやかにおしゃべりし合いながら、蜜を吸い、柿を食べ、ご満悦のメジロだった。