水曜日朝の善福寺公園は曇り。気温はきのうよりは少し低いが、風もなくすごしやすい。
公園に着くと、葉っぱの上でアカボシゴマダラが翅を休めていた。
こうしてみると普通に見えるが、葉っぱに隠れた翅の先はけっこうボロボロ。
飛びつかれて休んでいるのだろうか。
そっとしておこう。
公園の池の端で咲く野生のシュウメイギクはまだつぼみにもなってないが、花壇に植えられた栽培種のシュウメイギクは見事に花を咲かせている。
しかし、よく見ると花びらが変わっている。
雌しべと雄しべがある真ん中からも白い花が咲いていて、まるで八重咲きどころか、千重咲きのシュウメイギクだ。
シュウメイギクは名前にキクがつくが、キクの仲間ではなくアネモネの仲間。
中国から古い時代に入ってきた帰化植物で、アネモネはふつう春に咲くが、「秋に咲いて明るく彩る菊に似た花」というので「秋明菊(シュウメイギク)」。
外側の純白の花びら(花弁)に見えるのは花びらではなく、萼が変化したもの。
では、真ん中の花びら見えるのは?
どうやら雄しべと雌しべが変化して花弁化したものらしい。
アネモネの仲間にはこうした千重咲きがいろいろあり、地中海原産のボタンイチゲも、雄しべと雌しべが花弁化した千重咲きの花。
「フロールプレノ」という真紅の花を咲かせる千重咲きのアネモネもあるようだ。
シュウメイギクを見ていると、頭の上をエナガの群れが飛んでいく。
追いかけると、素早いこと。
次々と遠くへ飛び去っていった。
上池をめぐっていると、カワセミの声。
それも、いつものような飛ぶときに聞く声とは違う感じで、短いピッピッという声を繰り返している。
何と、2羽のカワセミがにらみ合っているところだった。
居合わせた善福寺池のカワセミに詳しいカワセミウオッチャーによると、今年生まれた三郎とケイコの子ども同士ではないかという。
だいぶ大人っぽく見えるから1番子か。
カワセミはふだん1羽だけでテリトリーをもって暮しているから、きょうだいであろうと縄張り争いしてるのだろうか。
左側のは背伸びして自分を大きく見せようとしている。
右側のは口を開けて何か訴えているのか。
やがて2羽はバトルにまでは至らず、互いに離れていった。
ホントは仲よしだったりして。
上池を半周してして下池へ。
池をめぐっていると聞き慣れない鳥の声。
見上げると、見慣れない小さめの鳥がとまっていた。
どうやらコサメビタキのようだ。
サメビタキ属の鳥でエゾビタキ、サメビタキ、コサメビタキは見分けるのが難しいといわれていて、先日見たのは、おなかの縞模様でエゾビタキとわかったが、ではコサメビタキとサメビタキの違いはというと、コサメビタキは白いおなかをしていて、サメビタキは暗い色というので、けさ見たのはコサメビタキと結論づけた。
クリクリお目メがかわいい。
シベリア南部や朝鮮半島、ヒマラヤ山脈などで繁殖し、冬季はユーラシア大陸南部、インドネシア、フィリピンなどで越冬するという。日本では南下する途中に夏鳥としてやってくる旅鳥というが、秋の今ごろになってもやってくるのだろうか。
コサメビタキが飛び去ると、代わってやってきたのがエナガの群れ。
ひょっとしてさきほど上池で見た群れかな?
忙しく梢をめぐって、忙しく去っていった。
再び上池に戻ると、さきほどと同じところに2羽のカワセミ。
やっぱり対峙するようにしてとまっている。
上池は細長い形をしていて、ちょうど真ん中あたり。
依然、上池では、三郎と文二が池の半分ずつを棲み分けしていて、その境界線がちょうどこのあたりだった。
けさ見た2羽も、縄張り争いに明け暮れることなく、棲み分けてくれるといいんだが。