土曜日朝の善福寺公園は快晴。蒸し暑さ続く。
上池をめぐっていると、アゲハチョウが飛んできて、池のほとりの枝にとまった。
とまったというよりぶら下がっている感じ。
翅を広げて日光浴してるのかな?
下池に回ると、久しぶりにギンメッキゴミグモ。
垂直に張った網の真ん中で、銀メッキしたみたいな胴体がキラキラ輝いていた。
網を張るクモは下向きになって獲物を待ち構えているものなのだが、なぜかメッキゴミグモは上向きで待ち構えている。
小さくて機動力がありそうだから、むしろ上向きの方が獲物の獲得に有利と考えたのだろうか?
黄色いチョウ、キチョウがヒラヒラ待っていて、花にとまった。
蜜を吸いにやってきたようだ。
下池を1周して再び上池へ。
エノキの葉っぱの上にいたのはアカボシゴマダラの幼虫。
今年の夏はアカボシゴマダラの幼虫をよく見る。
よく見ると、背中とか頭から突起をたくさん出している。
あの突起は何のためにあるかというと、木肌に擬態しているのだとか。
さなぎになるとエノキの葉っぱそっくりになるから、擬態の名人なのかもしれない。
アザミの花の上にいるアズチグモ。
けさは前脚を目いっぱい広げて獲物を待ち構えていた。
アザミは針のように細い花びらを放射状に伸ばしている。
アズチグモの脚もまるでアザミの細い花びらみたいで、「私はクモじゃありませんよー、アザミの花ですよー」といってるのか。
花からぶら下がっているのはアズチグモの餌食になったらしいアブ。
“生き血”を吸われたあとだろうか。
緑色をしていて翅が茶色の小さなカメムシ。
チャバネアオカメムシかな?
こうして見るとキュートなお顔。
ところで、植物学者の牧野富太郎がモデルになっているというので毎日観ているNHKの連続テレビ小説「らんまん」。
きのうはノジギクが取り上げられていて、とても印象深いセリフがあった。
ノジギクとは野路(のじ)、道ばたに咲く野生の小菊であり、日本の固有種。
牧野富太郎が発見、命名したが、現在たくさんある栽培種の原種といわれる。
ドラマでは、寿恵子(浜辺美波)が槙野万太郎(神木隆之介)の研究と家族の生活のために、叔母・みえ(宮澤エマ)の料亭で働くことになる。
ある夜、得意客の岩崎弥之助(皆川猿時、三菱財閥の二代目で、何と実名で登場)が訪れ、皆でキクを持ち寄って品評会をしたいといい出す。一等に選ばれたキクは岩崎が買い上げるというので、借金返済のために寿恵子は万太郎に頼んでキクを採集してきてもらう。
そして “菊くらべ”の当日。
豪華な菊が次々登場し、最後に出てきたのが、道端で咲く、小さな一輪咲きのノジギク。
寿恵子のセリフ。
「こちらは菊の原種にございます。
これらの大変見事な菊たちは、もともとは日本のものではございません。
はるか昔、菊は唐の国で薬として使われていました。
それが日本に渡り、人々が手をかけて見事な菊を作りあげました。
ですが、ちゃんと日本にも、原種の菊が自生しておりました。
和名をノジギクと申します。
1000年以上前から、人の手が全く入っていません。
生まれながらの形を保って咲いています。
どの菊にも優劣はありません。
ノジギクとこちらの菊、ともにそろえば大陸と海、それから幾星霜にわたる、日本の人々の創意と工夫に思いをはせることができましょう」
そこに万太郎のセリフが重なる。
「そして何より、この国の人はそこまでして花を愛する心があるがじゃゆうて、胸があつうなるがじゃろう。みんなに花を愛でる思いがあったら、人の世に争いは起こらんき」
再び寿恵子のセリフ。
「この国自生の原種の菊、いかがでしょうか」
なかなかいいセリフだった。