善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

雨上がりの初夏の花々

日曜日朝の善福寺公園は曇り。夜来の雨がやむのを見計らってでかけるが、途中ときおりポツリポツリ。雨がやむと湿度高く蒸し暑くなる。

 

けさも公園では初夏の花が次々に咲いていた。

まずはシャリンバイ。

枝が車輪の車軸状に1カ所から放射状に多数枝分かれしていて、花が梅に似ているというので車輪梅。

 

上池では、遠くの方に文二らしいオスのカワセミ

 

ヤマボウシが雨に濡れていた。

白い花のように見えるのは花びらではなく、ハナミズキと同じに総苞片と呼ばれるもの。本当の花は真ん中にあってこれから咲こうとしている。

 

小さな小さな白い幼虫が移動していたので近づくと、頭をもたげてきた。

遊びたがっているのか、それともやっつけようとしているのか?

 

いつの間にかオニグルミの花が咲いていて、もう咲き終わったところかな?

オニグルミは雄花と雌花を咲かせるが、これはあとで実になる雌花のようだ。

雄花は黄緑色をしていて枝の先に長く垂れ下がって咲く。一方、雌花は上向きに咲き、先端の赤い色は雌しべの色だ。

 

雨が降ると姿をみせるのがカタツムリ。

善福寺公園は渦が左巻きのヒダリマキマイマイの天国だ。

 

メタリックに輝く虫を発見。

コガネムシかと思ったらアカガネサルハムシというハムシの仲間。

ブドウの葉っぱを食べるので害虫ということになっているが、上翅(背中の部分の硬い翅)は赤銅色で、その他の部分はメタリックグリーンになっている。

角度によって色合いが変わって見えることもあり、タマムシにも負けない美しさ。

 

葉っぱの上の虫を探しながら歩いていると、葉っぱに落ちた1枚の花びらを見つけて見上げると、テイカカズラが咲いていた。

つる性の植物なので、太い木の道をつたって上に伸びていき、数mの高さのところで一面に花を咲かせている。

もともとは「マサキノカズラ(真拆葛、柾葛)と呼ばれ、「古事記」にも載っている。

アマテラスオオミカミ天照大神)が天岩戸にこもったとき、アメノウズメノミコト(天宇受売命)が神がかりして舞い踊り、神々の笑いを誘ってアマテラスオオミカミの心を動かし岩戸開きに成功したが、このときアメノウズメノミコトが髪にまとったのがマサキノカズラだったという。

しかし、のちの世になって、式子内親王を愛した藤原定家が彼女の死後も内親王のことを忘れられず、ついにカズラに生まれ変わって彼女の墓にからみついたという伝説を元にした謡曲「定家」がつくられてからは、「テイカカズラ(定家葛)」と呼ばれるようになったという。

幹に巻きつきどこまでも伸びるつるは、定家の情念のほとばしりか。

 

ユリノキの花が咲いていた。

地面に花が落ちていたので咲いているのがわかったが、お碗のような大きめの花が高い枝の上の葉っぱの間に咲くので、気づきにくい。

 

エナガの鳴く声がするので見上げると、梢をめぐっているところだった。

羽毛のようなものをくわえて飛び去るのもいたから、巣づくりの最中のようだ。