善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

翅がボロボロでも生き抜くチョウ

日曜日朝の善福寺公園は曇り。昨日の夜は雨が降ったみたいで、ところどころ地面が濡れている。空も薄暗くどんよりした感じ。

 

上池をめぐり始めたら、どこからかサクラらしいメスのカワセミが飛んできた。

サクラの木の下にカワセミのサクラ。

すぐに飛び去っていった。

 

サクラの木にエナガがやってきていた。

枝をつついて中に潜んでいる虫を探している。

獲物をゲットできたかな?

 

ソメイヨシノは盛りをすぎて、ほかの品種も咲き始めた。

「天の川」と呼ばれる品種は花が上を向いて咲いている。

柄も短い。

この品種は枝が上向きに伸びて円柱状の樹形になるのが特徴。

ソメイヨシノは枝を横に伸ばすが、縦に伸びるので狭い庭にも適しているという。

 

ドウダンツツジが満開になっていた。

白い壺形のかわいらしい小花をたくさんつけている。

可憐な花にしてはドウダンツツジという名前がゴツイ。

由来は、樹木が成長して枝分かれした形が灯台や灯明台、結び灯台(3本の棒を紐で結んで開いてたたせ、上に油皿を置いて火をともすもの)、燭台に似ているというので「トウダイツツジ」となり、転訛して「ドウダンツツジ」となったといわれる。

漢字では「満天星躑躅」とも書くが、これは本種の中国語名の表記をそのまま和名のドウダンツツジにあてたものという。

 

下池にまわると、“緑のサクラ”ともいわれるギョイコウザクラ(御衣黄桜)が咲いていた。

本種の名前は江戸時代中期から見られ、その由来は花の色を貴族の衣服の萌黄色に見立てて「御衣黄」となったといわれる。

ウコンザクラ(鬱金桜)ととてもよく似ていて、ひょっとしたらウコンかもしれない。

しかし、以前、西武・大泉学園駅近くの牧野記念館でサクラに関する展示会があったとき、係員の方に善福寺公園のこの木について質問したら、「あれは御衣黄ですよ」といわれて、以来そう信じているのだが・・・。

 

繁った木の中からアオジのさえずりが聞こえる。

やがて2羽のアオジが地面におりてきて、エサをつつきながら飛び去っていった。

オスがメスに求愛しながらエサをとっていたのかな?

 

公園の片隅でネコが休憩中。

どこかのお宅のネコか、それとも野良ネコ?

 

シロヤマブキが咲き出していた。

黄色い花を咲かせるヤマブキとは別種で、春にヤマブキの花に似た白い花を咲かせるというのでこの名がついた。

ヤマブキはバラ科ヤマブキ属(ヤマブキのみの一属一種)なのに対してシロヤマブキはバラ科シロヤマブキ属の落葉低木。

秋になった黒い実がまだ残っていた。

すると、花に小さなシジミチョウがとまっていた。

翅はボロボロ。おそらく成虫のまま越冬した生き残りのチョウだろう。

翅の模様からしベニシジミ、それともヒメシジミか。

ジッとしていて動かないが、寒い冬を何とか生き抜き、相手を見つけて命をつなごうとしているのだろうか。

 

公園から帰ろうとしたら、さきほどメスのサクラがいたあたりに、今度は文二らしいオスのカワセミがいて、くちばしに小魚をくわえている。

ひょっとしてメスのサクラにあげるのかな?それとも自分で食べるのかな?と見ていると、魚を枝にたたきつけたり、くわえ直したりしながらも、動かずにじっとそのままでいる。

プレゼントすべきか、それとも自分で食べちゃうべきか、ハムレットよろしく思い悩んでいる様子。

しばらくたって、ようやく飲み込み始めた。

だいぶ飲み込んだがまだ尻尾が見える。

なかなかの大物だったみたいだ。