金曜日朝の善福寺公園は曇り、のち少し日が差してくる。
寒さは多少ゆるみ、池の氷もだいぶ溶けていた。
公園に到着してまず上池を半周しようとすると、カワセミの鳴き声。
文二らしいオスのカワセミが、朝のあいさつでもしにきてくれたのか、目の前の枝にとまった。
センダンの実とカワセミの図。
池をめぐっていると、視線の先に白っぽい丸いものが見える。
目を凝らすと、モズだった。
寒さで羽毛をふくらませているので、まるでボールに見えるが、過眼線(クチバシあたりから目を通過して後ろまで伸びる線のこと)が黒いからオスだろう。
今冬初のお目みえ。
エサを探して下をのぞき込んでいる。
木の実なんかをついばみながらせわしなく移動するエナガやウグイスなどと違って、モズやカワセミなど獲物をねらい系の鳥は、獲物があらわれるのをジッと待っていてくれるので、写真に撮りやすい利点がある。
すると何と、人間がいるのを知ってか知らずか、遠くにいたのが近くまで飛んできてくれた。
モズ本人としてはエサを探して都合のいいところにやってきただけなんだろうが、観察しているこちらにとっても都合がいい。
近くで見ると、オスはオスでもどこかやさしい顔をしている。
まだ子どものモズだろうか。
それでも鋭いクチバシ、脚の爪も鋭そう。
鋭い爪で獲物を捕らえ、離さないのだろう。
カワイイ顔してるけどモズは“小さな猛禽”だ。
下池にまわると、ヨシの中を移動中のウグイス。
こちらは右に左にと忙しい。
下池を1周して再び上池に戻ると、ハクセキレイが凍った池の上でエサを探して歩き回っている。
一瞬、羽を広げたがすぐにひっこめた。
氷に映る羽の影が美しい。
公園から帰ろうとしたら、再び文二らしいカワセミ。
センダンの木の近くの枝にとまって、あいかわらずエサをねらっていた。