善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きのうのワイン+映画「レジェンド・オブ・フォール/果てし無き想い」

フランス・ラングドック・ルーションの赤ワイン「カデ・ドック・ピノ・ノワール(CADET DOC PINOT NOIR)2020」

バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社が南仏ラングドック・ルーションで手がけるワイン。

ピノ・ノワール100%で、果実味と酸、柔らかなタンニンでミディアムボディに仕上がっている。

もともと地中海に面するこの地方は、温暖で夏に雨の少ない文字通りの地中海性気候なため、ブドウの栽培に最適、というよりは恵まれすぎていて、ブドウを植えっぱなしにしておいてもそこそこの収穫があるため、安ワインを水代わりあるいは歯磨き用に飲む習慣があったんだとか。

それにフランスの水は硬水なので、もちろん飲んでも問題はないがおなかを壊す人がいたりして、それで水よりワインとなった事情もあるようだ。ひょっとしたらミネラルウォーターよりワインのほうが安かったのかもしれない。

しかし、時代が進んで、さすがに朝からワインという人は少なくなって、水代わりの需要も減っていき、ボルドーに負けじと高品質のワインがつくられるようになったといわれる。

 

ワインの友で観たのは、民放のBSで放送していたアメリカ映画「レジェンド・オブ・フォール/果てし無き想い」。

1994年の作品。

原題「LEGENDS OF THE FALL」

監督・製作エドワード・ズウィック、出演ブラッド・ピットアンソニー・ホプキンス、アイダン・クイン、ジュリア・オーモンドヘンリー・トーマスほか。

 

第七騎兵隊の大佐だったウィリアム・ラドロー(アンソニー・ホプキンス)は、先住民に対する残虐な行為や戦争の不条理に嫌気がさして除隊。先住民の家族を使用人として雇い一緒に暮らしながら、長男のアルフレッド(アイダン・クイン)、次男のトリスタン(ブラッド・ピット)、三男のサミュエル(ヘンリー・トーマス)の3人の息子とともにミズーリ州モンタナの自然の中で牧場を経営していた。中でも狩りを好む野性児の次男トリスタンに、ことのほか愛情を注いだ。

時は流れ、ハーバード大で学んでいた三男のサミュエルが婚約者スザンナ(ジュリア・オーモンド)を連れて帰郷。やがて第一次大戦が勃発し、サミュエルは父親の反対を押し切って軍隊に志願するといい出し、彼を守るため2人の兄も一緒に出征していく。しかし、サミュエルは戦闘中に死亡してしまう。

帰国したトリスタンは、悲しみに暮れるスザンナを慰め、やがて2人は結ばれる。

一方、長男のアルフレッドもまたスザンナを愛していて、彼女とトリスタンの仲を知ると、「もう兄弟ではない」と告げて牧場を去っていく。彼は街で事業に乗り出して成功するが、弟を救えなかった罪の意識に憔悴しきったトリスタンは、スザンナを残して世界各地へ放浪の旅に出ていく。

数年後、モンタナに帰ってきたトリスタンを迎えたのは、病気のため半身付随になった父のウィリアムだった。今は議員となったアルフレッドとスザンナは結婚し、新生活を始めていた・・・。

 

映画の途中まではよくある話だなーとさして感慨もなく見ていたが、後半になって物語は一変。保安官とグルになった禁酒法下の酒の密売グループとの対決が始まり、兄や兄の妻となったスザンナとの葛藤、成長した先住民の使用人の娘との結婚と子どもの誕生などが絡んで、複雑かつ活劇っぽくなっていった。

モンタナの美しい自然や、グリズリーとの対決を描くシーンなど映像がすぐれていて、アカデミー賞の撮影賞を受賞。