フランス・ラングドック・ルーションの赤ワイン「ドメーヌ・ド・ヴィルマジュー・コルビエール・ブートナック(DOMAINE DE VILLEMAJOU CORBIERES BOUTENAC)2020」
フランス南部のラングドック・ルーションでワインづくりをしているジェラール・ベルトランの赤ワイン。
南仏の代表的なブドウ品種カリニャン、シラー、グルナッシュ、ムールヴェードルの4品種をブレンド。
穏やかな口当たりのワイン。
ワインの友で観たのは、民放のBSで放送していたイギリス映画「おじいさんと草原の小学校」。
2010年の作品。
原題「THE FIRST GRADER」
監督ジャスティン・チャドウィック、出演オリヴァー・リトンド、ナオミ・ハリス、トニー・キゴロギ、アルフレッド・ムニュアほか。
世界最高齢の小学生としてギネス記録を持つキマニ・マルゲの実話を映画化。84歳にして小学校に入学した彼の勉強への情熱や、教師、幼い級友たちとの交流を、ケニア独立戦争の戦士として戦った過去を交えて描く。
イギリスの植民地支配から独立して39年がたった2003年、ケニア政府は無償教育制度を導入。何百人もの子どもたちで溢れる小学校に、84歳の老人マルゲ(オリヴァー・リトンド)が訪れる。「国民誰もが無料で小学校へ行ける」というので入学するためにやってきたのだ。
しかし、「入学できるのは子どもだけ」と門前払いされてしまう。それでも、今まで教育を受けたことがなかったマルゲは文字を読めるようになりたい一心で、何度追い返されてもあきらめずにやってくる。その情熱に動かされた若い教師で小学校の校長でもあるジェーン(ナオミ・ハリス)は、周囲の反対を押し切ってマルゲの入学を認め、子どもたちと一緒にマルゲに勉強を教える。
マルゲは学ぶことの楽しさを体験し、独立戦争の兵士として戦った若かりし日の悪夢がよみがえってきても勉強を続けるが・・・。
映画を見始めて、セリフがすべて英語(ときおりちょとだけケニアの言葉も混じるが)というのに違和感を覚える。
マルゲ役のオリヴァー・リトンドはケニアの元テレビ・キャスターだそうで、彼の流暢な英語を聞いていると、ホントに小学校に行く必要があるのだろうか?と思ってしまうほど。
それでも、老人と若い女性教師が次第に心を通わせていき、未来をになう子どもたちの純粋な眼差しや笑顔を見るうち、だんだんと映画に引き込まれていった。
実話では、マルゲは家庭の事情で学校に通えず、読み書きができなかった。「聖書を読みたい。お金を間違えずに計算できるようになりたい」などの理由から小学校入学を希望したという。
彼はキクユ族だったが、ほかの部族の人たちとともにイギリス支配からの自由を求めて「マウマウ団」の戦士として戦い、愛する妻子を目の前で惨殺され、自分も捕まって拷問を受けた過去を持つ。
自由のために戦った彼は、学ぶことでより自由な人生を自分のものにしたかったのだろう。
そして自由というものの大切さを、“級友”である子どもたちに教えたのもマルゲだった。
04年1月から学校に通い始め、在学中は毎日4キロの道のりを歩いて通い、05 年には優秀な生徒として首席に選ばれたという。
同年9月にはニューヨークを訪れ、国連の国際会議で教育無償化の重要性を訴えるスピーチを行っている。
卒業まであと2年という09年8月、胃がんにより90歳で死去。亡くなる前年には日本の共同通信のインタビューに対して、ケニアの公用語スワヒリ語で聖書を読めるようになったと明かし、「大学を出て獣医師になるのが目標」と話していたという。
ついでにその前に観た映画。
NHKBSで放送していたアメリカ映画「胸に輝く星」。
1957年の作品。
原題「THE TIN STAR」
監督アンソニー・マン、出演ヘンリー・フォンダ、アンソニー・パーキンス、ベッツィ・パルマー、リー・ヴァン・クリーフほか。
ヘンリー・フォンダ扮する元保安官の賞金稼ぎと、アンソニー・パーキンスが扮する新米保安官の絆を描く西部劇。
賞金稼ぎの流れ者ガンマン、モーグ(ヘンリー・フォンダ)は、懸賞金がかかった犯人を殺し、金を受け取るために訪れた町で、保安官を引き継いだばかりの若者ベン(アンソニー・パーキンス)と出会う。
悪党たちに立ち向かい命を落としそうになったベンを救ったモーグは、ベンに拳銃の使い方や保安官としての心構えを指南するが・・・。
主要な西部劇はあらかた観てきたと思っていたが、まるで知らなかった映画。
しかも、悲劇的にというか、「シェーン」にしても、やはりヘンリー・フォンダ主演の「荒野の決闘」にしても、主人公は敵を倒したのち孤独に去っていく終わり方が多い中で、ハッピーエンドに終わる異色の西部劇。
先住民を悪者にしないところも、50年代の西部劇にしては目新しかったのではないか。
監督のアンソニー・マンはほかにも「ウィンチェスター銃'73」「西部の人」などの西部劇をつくっているが、伝記映画「グレン・ミラー物語」、戦争を描いた「最前線」、スペクタクル史劇「エル・シド」「ローマ帝国の滅亡」などの作品でも知られる。
音楽がまるで壮大な交響曲のように華やか。作曲者は誰かというとエルマー・バーンスタインという人だった。
ひょっとして「ウエスト・サイド物語」などを作曲し指揮者でもあるレナード・バーンスタインの縁者?と思ったが、ともにウクライナ系ユダヤ移民の2世という共通点はあるものの血縁関係はなかった。ただし年齢は4つ違い(レナードのほうが年上)で近く、友人ではあったそうだ。
「十戒」「荒野の七人」「アラバマ物語」「大脱走」など数多くの映画・テレビで音楽を担当していて、1967にはジュリー・アンドリュース主演の「モダン・ミリー」でアカデミー作曲賞を受賞している。
民放のBSで放送していたイギリス映画「地中海殺人事件」。
1982年の作品。
原題「EVIL UNDER THE SUN」
監督ガイ・ハミルトン、出演ピーター・ユスティノフ、ジェーン・バーキン、ダイアナ・リグ、ロディ・マクドウォールほか。
アガサ・クリスティの小説「白昼の悪魔」を原作とするミステリー。ピーター・ユスティノフが名探偵ポワロに扮し、地中海に浮かぶ孤島で起きた殺人事件の解明に挑む。
名探偵ポワロはロンドンの保険会社から模造の宝石に関する調査依頼を受け、疑惑のかかったホレスに面会する。
彼は「婚約していた女優のアリーナに宝石を与え、結婚が破談になったので取り戻したら模造の宝石になっていた」と主張。ポワロはアリーナが滞在しているアドレア海の孤鳥にあるリゾートホテルを訪れる。
そこには彼女とさまざまな因縁のある人々が集まっていて、ポアロが滞在中のある日、彼女が殺されているのが見つかる。しかし、滞在客のすべてにアリバイがあった・・・。
スペインのマヨルカ島でロケしたという島の風景が美しい。
ベルギー人のポアロが、しばしばフランス人に間違われるのがおもしろかった。そのたびにポアロは「私はベルギー人! フランス人ではない!」と眉をひそめるが、ここのところはアガサ・クリスティの小説どおり。
どうやらイギリス人であるクリスティは、いつも威張ってる感じの“大国”フランスより、お隣のベルギーのほうを贔屓しているみたいだ。
しかし、肝心のナゾ解きはというと、劇中に出てくるマジックの拙さ同様、見ていて途中で犯人がわかってしまったのは残念。
全編に流れるのは曲はどこかで聴いたことのある曲だなと思っていたら、音楽はコール・ポーターとなっている。
しかし彼は1964年に亡くなっているから、彼がつくった曲をアレンジして使っていたようだ。