善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きのうのワイン+映画「バロン」「秘密への招待状」

アルゼンチンの赤ワイン「アルトゥーラ・ピノ・ノワール(ALTURA PINOT NOIR)2021」

アンデス山脈の麓、太陽とワインの州といわれるメンドーサ地区でワイン造りを行っているボデガ・ノートンの赤ワイン。

「アルトゥーラ(Altura)」とはスペイン語で「高さ」を意味し、その名の通り標高1600mという高地の畑でブドウを栽培。昼は日照が強く、夜は乾燥した冷たい風が吹きつけるので、昼夜の寒暖差が大きいことで色濃く完熟したブドウが育つのが特徴という。

ピノ・ノワール100%で、果実のピュアな風味を保つためオークではなくタンクでの熟成を経てリリースされる。

 

ワインの友で観たのは、民放のBSで放送していたイギリス映画「バロン」。

1989年の作品。

原題「THE ADVENTURES OF BARON MUNCHAUSEN(ミュンヒハウゼン男爵の冒険)」

監督テリー・ギリアム、出演ジョン・ネヴィル、サラ・ポーター、エリック・アイドルロビン・ウィリアムズなど。

 

実在の人物であるカール・フリードリヒ・ヒエロニムス・フォン・ミュンヒハウゼン男爵を主人公に、冒険物語として語り継がれてきたドイツ民話「ほら吹き男爵の冒険」を、精巧なミニチュア撮影や合成など当時最新鋭の技術を用いて映像化したファンタジー作品。

 

18世紀、オスマン帝国の占領下にあるプロイセン(ドイツ)の海岸沿いの町。当時、オスマン帝国はヨーロッパにまで領土を広げ、かつての古代ローマ帝国に匹敵するほどの大帝国となっていた。

貧困と飢えに苦しむ人々であふれた崩れかけた城壁の中の廃墟と化した小さな町のロイヤル劇場の舞台に、バロン・ミュンヒハウゼン(ジョン・ネヴィル)は突然姿を現わした。彼は、オスマン帝国軍は自分を追いかけていると語り、なぜ追われるはめになったかを話し始めるが、あまりにも荒唐無稽で、誰にも相手にされない。

落胆するバロンであったが、空想好きの10才の少女サリー(サラ・ポーリー)に励まされ、オスマン帝国軍をやっつける約束をする。そこで彼はまず最初に、かつて一緒に戦った不思議な力を持つ4人の仲間たちを集めるため、女性たちが身につけていた絹の下着で作った巨大気球に乗って、サリーとともに旅を始めるのだった・・・。

 

月、地底、海への荒唐無稽、奇想天外な夢の旅を、ユーモアたっぷりに描く冒険物語。

安っぽい書き割りみたいな美術がなかなかよくできていて、月の王と王妃もよかったけど、冒頭の舞台の場面で、巨大な書き割りの魚が人々を飲み込むシーンにしびれる。

ピーターパンみたいな若者じゃなくて、オジサンが主役というのがいいね。

映画を大笑いしながら観る楽しみここにあり。

 

ついでにその前に観た映画。

民放のBSで放送していたアメリカ映画「秘密への招待状」。

2019年の作品。

原題「AFTER THE WEDDING」

監督・脚本バート・フレインドリッチ、出演ジュリアン・ムーアミシェル・ウィリアムズビリー・クラダップ、アビー・クインほか。

 

2006年のデンマーク映画「アフター・ウェディング」をハリウッドリメイクした作品。

インドで孤児たちの救援活動に人生を捧げるアメリカ人女性イザベル(ミシェル・ウィリアムズ)は、財政難のため孤児院の維持に苦しんでいた。そんな彼女のもとに、多額の寄付の話が舞い込む。ただし、メディア会社を経営する支援者のテレサジュリアン・ムーア)にニューヨークまで会いに行くのが条件だ。

話をまとめて一刻も早く孤児たちの元へ帰りたいイザベルを、娘の結婚式に強引に招待するテレサ。寄付金のために渋々出席したイザベルは、テレサの夫を見て驚愕する。それは21年前、イザベルが18歳のときにいさかいの果てに別れた恋人、オスカー(ビリー・クラダップ)だった。さらに、目の前の新婦グレイス(アビー・クイン)が、オスカーとの間にできたイザベルの娘だと気づく。

結婚式への招待状をきっかけに明かされる、家族の衝撃的な〈真実〉と、新たな〈秘密〉。この日を境に、彼女たちの人生は予想もしない未来へと転がっていく・・・。

 

テーマが転々と変わっていく映画。

最初のほうでは、インドの貧困地帯で子どもたちを救う活動をするアメリカ人女性の物語かと思ったら、途中でその話はどうでもよくなって、出産直後、とても育てられないと養子に出したはずの女の子が、別れた男のもとで育っていて、20年ぶりぐらいで再会に至るという家族の物語になる。さらに、別れた男は別の女性と結婚していて、女の子は新しい母親に可愛がられて育っていったが、その母親は余命幾ばくもなく、自分の命と引き換えに娘の幸せを願う計画を立てていた。

見ていて、アレアレ~?と思ってるうちに終わっちゃった。

 

原題の「AFTER THE WEDDING」は「結婚式のあと」という意味で、娘が結婚式を挙げたあとに次々と起こる出来事をいっていて、どちらかというとインドからやってきたイザベル寄りの題名。一方の邦題の「秘密への招待状」は、すべてを知っていてイザベルをインドから呼び寄せて秘密を明かそうとするテレサに寄り添う題名。

いったいこの映画は何がいいたいんだ?と迷った末の題名だろうか。

原題と邦題を手がかりに見た映画について考えると、意外とおもしろい発見があるかもしれない。

 

ちなみに音楽は、先日、劇場で観た「ザリガニの鳴くところ」の音楽と同じマイケル・ダナ