アルゼンチンの赤ワイン「カイケン・エステート・マルベック(KAIKEN ESTATE MALBEC)2018」
(写真はこのあと牛ステーキ)
チリのワインメーカー、モンテス社がアルゼンチンに設立したカイケンのワイン。
アルゼンチンを代表する品種マルベックを使い、紫がかった赤色が際立つ1本。
カイケンというのはアンデス山脈の渡り鳥ガンの現地名。チリからアンデス山脈を越えて隣国アルゼンチンでのワインづくりを意味しているようだ。
ワインの友で観たのは、NHK総合で放送していたアメリカ映画「ドリーム」。
2016年の作品。
原題「HIDDEN FIGURES」
監督・脚本セオドア・メルフィ、出演タラジ・P・ヘイソン、オクタヴィア・スペンサー、ジャネール・モネイ、ケヴィン・コスナーほか。
初の有人宇宙飛行計画を陰で支えたNASAの黒人女性スタッフの知られざる功績を描く映画。
東西冷戦下の1960年代初頭。アメリカはソ連との熾烈な宇宙開発競争を繰り広げていた。
NASAのラングレー研究所には、ロケットの打ち上げに欠かせない“計算”を行う優秀な黒人女性たちのグループがあった。そのひとり、天才的な数学者キャサリン・ジョンソンは宇宙特別研究本部のメンバーに配属されるが、そこは白人男性ばかりの職場で人種差別と偏見が横行する劣悪な環境だった。
仲のよい同僚で、管理職への昇進を願うドロシー・ボーン、エンジニアを目指すメアリー・ジャクソンも理不尽な差別によりキャリアアップを阻まれていた。それでも仕事と家庭を両立させ夢を追い続けた3人は、国家的な一大プロジェクトに貢献するため自らの手で新たな扉を開いていくのだった・・・。
1961年4月にソ連のユーリー・ガガーリンがボストーク1号で人類初の有人宇宙飛行に成功してから遅れること3週間、アメリカもアラン・シェパードが搭乗したマーキュリー3号を打ち上げアメリカ初の有人宇宙飛行に成功。これによりソ連より大幅に後れを取っていたアメリカの巻き返しが始まり、62年2月、ジョン・グレン搭乗のマーキュリー6号(フレンドシップ7)によりアメリカ初の地球周回軌道の飛行に成功する。
こうした熾烈な米ソの争いにおいて、今まで語られることのなかったNASAの「隠れたヒーローたち」がいた。
マーキュリー3号、6号と続く宇宙船の飛行の背後には、技術者、物理学者、そしてその業績がほとんど注目されなかった「計算手」と呼ばれた人々のチームが存在しており、その先頭に立っていたのは、黒人女性たちだったのだ。
原題の「HIDDEN FIGURES」とは、「隠された数字」「隠された人物」といった意味。NASAのミッションの最前線には、まだコンピュータがそれほど発達していない時代に、計算手として未知の隠された数字を追い続けた黒人女性たちのの姿があり、彼女らの知られざる(隠された)活躍があったことを暗示している。
ついでにその前に観た映画。
民放のBSで放送していたフランス・ポルトガル合作の映画「ポルトガル、夏の終わり」。
2019年の作品。
原題「FRANKIE」
監督・脚本アイラ・サックス、出演イザベル・ユペール、レンダン・グリーソン、マリサ・トメイ、ジェレミー・レニエほか。
ヨーロッパを代表する女優フランキー(イザベル・ユペール)はがんのため自らの死期を悟り、「夏の終わりのバケーション」と称して一族と親友をポルトガルの世界遺産の町シントラに呼び寄せる。
彼女は自分の亡きあとも愛する者たちが問題なく暮らしていけるよう、すべての段取りを整えようとしていた。しかし、それぞれ問題を抱える彼らの選択は、フランキーの思い描いていた筋書きを大きく外れていく・・・。
以前(2018年の秋)、友人たち(何と女性3人に男は私1人だった)とポルトガルを旅したときにシントラを訪れていて、懐かしくて映画を観る。
シントラはかつて王家の避暑地とされたところ。今も王宮を中心に豪奢な城館や貴族の別荘が点在していて、バイロンはここを「この世のエデン」とたたえたという。
映画の中で、フランキーの夫が町で2人にとっての友人である女性と偶然出会った話を妻のフランキーにしたとき、「熟れた感じだったよ」とうっかり口を滑らすと、「“熟れた”なんて言葉、女性蔑視よ」とピシャリ。
なるほど、おっしゃる通り。