東京・渋谷のNHKホールでNHK交響楽団の第1968回定期公演Aプログラム。
曲目は伊福部昭「シンフォニア・タプカーラ」、ショスタコーヴィチ「交響曲第10番ホ短調作品93」。指揮は井上道義。
伊福部昭は映画「ゴジラ」ほか映画音楽でも活躍したが、日本の民族性を追求したような管弦楽作品を多く残している。
「シンフォニア・タプカーラ」は、どこか懐かしい土俗的な香りがして、踊り出したくなるような曲。実際、指揮の井上道義は途中、踊りながら指揮していた。
「タプカーラ」とはアイヌ語で「立って踊る」という意味だそうで、北海道で生まれ育ち、少年期に交流したアイヌへの共感とノスタルジーが作曲の動機であると伊福部は語っていたそうだ。
気象庁が出す緊急地震速報のチャイムは、この曲の第3楽章の冒頭部分の和音をもとにつくられているのだとか。
ショスタコーヴィチの「交響曲第10番」は、ティンパニーの響きが今も耳に残る迫力満点でドラマチックな「第5番」を彷彿させる、いかにもショスタコーヴィチらしい曲。
ボンヤリすごしている自分を叱咤し、励ましてくれるようなショスコーヴィチの曲に、なぜか強くひかれる。
ブラームスのような夢見心地のような交響曲でも、ベートーヴェンのような華々しい交響曲でもなく、運命に立ち向かい、壁をぶち破って突き進んでいくような気分にさせてくれるのがショスタコーヴィチの交響曲で、“人生を励ましてくれる曲”だった。
カーテンコールでは拍手が鳴りやまなかった。
お客さんはみなさんN響の熱烈ファンらしく、舞台から楽団員の最後の一人が姿を消すまで、盛大な拍手を送っていた。
帰りはJR荻窪駅で降りて、1年ぶりぐらいの居酒屋「おざ」でイッパイ。
まずはサッポロラガービール(赤星)。手前は先付けのカブと落花生。
ビールのあと日本酒で、栃木の「仙禽」、滋賀の「七本槍」、秋田の「雪の茅舎」は温燗。
シラスのミョウガ和え。
おひたし(ブロッコリー、エノキ茸、キャベツ、柿など)。
刺し身盛り合わせ。
カツオ2種、シメサバ、黒ムツ、アジ、炙り秋カマス、アオリイカ、生ウニ。
生の本シシャモの天ぷら。
ヤマイモと納豆の磯辺揚げ。
ゴキゲンで帰宅。