月曜日朝の善福寺公園は晴れ。寒い朝。それもそのはず、きょうは立冬。
陸に上がっていたカルガモが行列をつくって池に戻るところだった。
カモの仲間には魚や貝を食べるのもいるが、カルガモは基本的に草食動物。
主食は植物の葉や茎、種子などで、ときどき陸に上がってエサを漁っている。
ただし、雑食性もあるため水生昆虫やタニシなどの貝類を食べることもあるようだ。
そこでカルガモを見ていてフト思ったのが、カルガモって何でカルガモなのか?
漢字で書くと「軽鴨」。
名前の由来には諸説あり、大きさがほぼ一緒のマガモよりやや体重が軽いからという説、水に「浮かぶ」が転じたとする説、「黒鴨(くろがも)」が転じたという説、夏も残っているカモなので「夏留鴨(かるがも)」の意とする説などがあり、もうひとつ、万葉集に詠まれた「軽の池(かるのいけ)の鴨」の「軽(かる)」に由来するとする説もある。
たしかに万葉集には「軽の池の・・・」で始まる紀皇女(きのひめみこ)の歌がある。
軽(かる)の池の浦廻(うらみ)、行き廻る鴨すらに、玉藻(たまも)の上にひとり寝なくに
この歌、よく読むと実に意味深な歌だ。
現代語に訳せば「軽の池を泳ぎまわる鴨でさえ、玉藻の上で一人きりで寝ることはないのに」となるが、 実はこの歌は自分の心情を表に表さずに隠喩法的に詠んだ譬喩歌(ひゆか)となっていて、作者がホントにいいたいこととして「どうして私はあなたと一緒に夜をすごせないの? あなたと寝てはいけないの?」と続く。
つまりこの歌は恋の歌。というより愛欲の歌。紀皇女は、軽の池に浮かぶカモに託して切々とした自分の気持ちを訴えているのだ。
紀皇女は天武天皇の娘。一緒に夜をすごしたかった相手とはいったい誰か?
哲学者の梅原猛氏は、万葉集のこの歌を根拠に、紀皇女は文武天皇の妃であったが弓削皇子と密通し、それが原因で妃の身分を廃された、との仮説を述べている。
とすると、一緒にすごしたかった相手とは弓削皇子で、密会したい思いを詠んだ歌なのか。
ただし、真相は不明。
軽の池は現在の橿原市大軽町付近にある剣池(つるぎいけ)とする説があり、池のほとりには歌碑があるという。
下池では、小四郎らしいオスのカワセミがエサをねらっていた。
別の場所に移動して・・・。
小魚をゲットしたが、小さいのですぐに飲み込んだ。
ハナミズキの実が赤くなっていた。
今ごろは赤い実が多い。