金曜日朝の善福寺公園は晴れ。寒さはきのうほどではない。
けさはカワセミの姿を見なかった。
代わって、頭上の木々をエナガの群れがめぐっていて、目の前をウグイスが地鳴きしながら飛んでいった。
数羽で仲良く採餌しているが、その様子がおもしろい。
くるくるとまわりながらエサを漁っているのだ。
ハシビロガモ(嘴広鴨)は、名前の通り幅広の大きなクチバシをしている。
クチバシの内側の側面は、クジラなどの口と同じようにブラシ状になっていて、水ごと吸い込んで水だけを吐き出す。
くるくるとまわるのは渦をつくるためで、そこに植物プランクトンなどエサになるものを効率よく集めて食べているようだ。
水面を泳ぐ脚の動きで水を撹拌するため、プランクトンが水面近くまで浮き上がり、それを狙って次々と水を吸い込んでいく。このため何十羽も集まるととても大きな渦になるのだとか。
こうしたハシビロガモの採餌を“渦巻き採食”というそうだ。
なるほど水に浮かぶカモにもいろんなエサの食べ方がある。
カモは採餌のやり方によって「水面採餌ガモ」と「潜水採餌ガモ」に大別され、ハシビロガモのほか、1年中、善福寺池にいるカルガモや、やはり冬鳥のオナガガモなんかも水面採餌ガモ。カルガモは水面だけでなく陸に上がって植物を食べたりもする。
カルガモはよく遊歩道でエサをついばんでいて、人が歩いていても平気で地面をつっついているが、あれは人が踏んづけてつぶれて食べやすくなったドングリなどの木の実をつっついているようだ。
何て頭がいいんだろ。
一方、水中にもぐってエサをとっているのがキンクロハジロなどの潜水採餌ガモ。
水面に浮いているものだけでなく、藻類とか貝、中には魚や甲殻類も食べたりしているようで、水面採餌ガモに比べて食べられるエサの種類が多いという。
ただし、潜水採餌ガモは潜りやすいように脚が体の後方にあるので、地上を歩くことはできない。
どっちがトクなのか?それはわからないが、同じカモでも、多様な生き方をしているのは確かだ。