善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

カールした翅をもつ蛾

水曜日朝の善福寺公園は曇りのち晴れ。朝から蒸し暑い。

 

上池を半周して下池に向かっていると、暗い林の中でサトノキマダラヒカゲが目立つ。

しかし、どれも飛び疲れたようで、翅はボロボロ。

多少翅のきれいなのもいた。

 

下池をめぐっていると、カワセミのメスのサクラちゃん。

 

少し離れたところには、最近よく見るようになったオスのカワセミの若造くんかと思ったら、先輩の三郎くんのようだ。

若造に代替わりはさせまじ!とがんばっているんだろうか。

ときどきサクラのほうを気にしていた。

 

ゴイサギの若鳥、ホシゴイが1羽でポツンといた。

 

下池から上池に戻ろうと歩いていると、クコの花が咲いていた。

だがよく見ると、薄紫色のほかに、白っぽい花もある。

色が抜けちゃったのか、それとも変異体か?

 

チョウらしいのが飛んだりとまったりをせわしなく繰り返している。

とまって翅を開いたところをよく見ると、セセリチョウの仲間のダイミョウセセリのようだ。

名前の由来は諸説あるが、白い紋が戦国大名が着ていた羽織袴の模様に似ている、というのが一般的にいわれる説だ。

ただし白い紋には関東型と関西型とがあり、白い帯が明瞭に並んでいるのが関西型なのに対して、関東型は途中から白い紋がなくなっている。

関ヶ原がその違いの分岐点とされていて、けさ見たのが関東型だ。

 

マメ科の植物らしい枝からチョウのサナギがぶら下がっている。

通行人が歩く道端で大丈夫なんだろうかと思ったが、意外と葉っぱにまぎらわしくて気づく人は少ないようだ。

チョウのサナギには帯蛹(たいよう)タイプと垂蛹(すいよう)タイプの2つの形態がある。帯蛹は、お尻(腹部)を枝や葉っぱにつけて胸部に糸をひっかけ、頭を上にのけ反るようにしてサナギになる形。アゲハチョウやシロチョウ、シジミチョウ、セセリチョウなど、成虫になると脚が6本に見えるものに多い。

一方、垂蛹は、お尻(腹部)の先を葉っぱなどにつけて、頭を下にしてぶら下がるタイプ。タテタハチョウなど、成虫のとき、実際は6本あるに前脚が特殊化して、脚が4本に見えるものに多い。

とするとけさ見たのはタテハチョウの仲間のようだが、そっくり返りタイプとぶら下がりタイプの違いは、脚の数が影響しているのだろうか?

 

植栽の隅の方に不思議なチョウかガのようしなものがとまっている。

褐色の翅に白い横帯がある。しかも、翅の後ろの方がカールしたようになっている。

何という生きものだろう?と帰って調べたら、ホソオビアシブトクチバとわかった。

カールしているように見える翅は枯れ葉にでも擬態しているのだろう。

何という芸コマ(芸が細かい)。

 

太いケヤキの幹でジッとしている大きめのカマキリはオオカマキリか。

触角がかなり長いからオスのようだ(メスは短い)。

 

ありゃりゃりゃ!?

このところよく花にとまっているのを見るセセリチョウが、クモに捕まっている。

捕まえているのはジョロウグモのようだ。

ジョロウグモは毒を持っていて、網にひっかかった獲物に毒を注入して動けなくして、数日かけてじっくりと捕食するのだとか。

ただし、クモの毒は微量なので人間には害がないんだそうだ。