TOHO CINEMAS新宿でアメリカ映画「トップガン・マーヴェリック」を観る。
2022年の最新作。(実際には撮影は2018年から2019年にかけて行われ、19年7月に公開予定だったのがコロナ禍で延期されていた)
監督ジョセフ・コシンスキー、出演トム・クルーズ、マイルズ・テラー、ジェニファー・コネリー、エド・ハリス、バル・キルマーほか。
1986年公開のトム・クルーズ主演の映画「トップガン」の続編。
「トップガン」とは、アメリカ海軍パイロット全体の1%でしかないエリート・パイロットを養成する訓練校の俗称。その「トップガン」の若きパイロットたちに、世界の危機を回避する「極秘ミッション」が命じられる。ミッション達成のためチームに加わったのは、トップガン史上最高のパイロットでありながら、常識破りな行動で組織から追いやられたコードネーム・マーヴェリック(トム・クルーズ)だった。
なぜ彼は、新世代トップガンとともにこのミッションに命を懸けるのか?
タイムリミットは、すぐそこに・・・。
86年の「トップガン」から36年もたって、同じ役でトム・クルーズが現役のパイロットとして登場している。実年齢でも今年60歳の還暦のはずだが、多少シワはあるものの若々しいこと。
この映画、CG全盛の昨今にあって、究極のリアルを求めてIMAXカメラを機内に搭載し、俳優が訓練を受けて実際に操縦席に座って飛んでるシーンを撮影したという。
もちろん操縦自体は前の座席に座った現役のパイロットがやって、俳優たちは後部座席に座ってるだけだっただろうが、それにしても実際の速さで撮影して、8Gとかの重力がかかっているのだから、ものすごい臨場感、スピード感、緊迫感で、俳優が体感している重力までもがこっちに伝わってくる感じ。
しかもこの映画、敵も味方も誰も死なない(撃墜された戦闘機からはたぶん脱出している)。
アメリカの軍事力が世界で一番だと威張る国威高揚映画でもない。
“ならず者国家”ということで世界を破滅に導く陰謀を企む敵国の戦闘機が出てきたりするが、顔も名前も伏せられていて、あえてどこの国かもわからなくしている。
従ってこの映画は中国とかロシア、北朝鮮とか“仮想敵国”との軍事対決を描くものではなく、あくまでも友情物語なのだ。
さらにいえば、監督自身もいっているが「どちらかというとスポーツ映画に近い」といえるかもしれない。
だから見終わってさわやかな気分になる。
映画のはじめにマッハ10を超える“ダークスター”とかいう試験用の極超音速機に乗るトム・クルーズが出てきて、最後のシーンでは単発プロペラ機に乗って飛び去っていく。
飛行機は本当は楽しむものだよ、と映画はいいたかったのかもしれない。