アルゼンチンの赤ワイン「カイケン・エステート・マルベック(KAIKEN ESTATE MALBEC)2018」
(写真はこのあとポークジンジャー)
チリのワインメーカー、モンテス社がアルゼンチンに設立したカイケンのワイン。
アルゼンチンを代表するブドウ品種マルベックを使用。
マルベックの原産地はフランス・ボルドーといわれているが、現在では世界のマルベックの栽培面積の75%以上をアルゼンチンが占めている。
よほど土壌や気候条件がぴったりと合ったのだろうか。
黒ワインと呼ばれるほど濃厚な色調のワイン。
ワインの友で観たのは、民放のBSで放送していたアメリカ映画「ノーカントリー」。
2007年の作品。
原題「NO COUNTRY FOR OLD MEN」
監督・脚色ジョエル&イーサン・コーエン、出演トミー・リー・ジョーンズ、ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリン、ウッディ・ハレルソン、ケリー・マクドナルド、ギャレット・ディラハントほか。
アカデミー賞で作品、監督、脚色、助演男優の4部門受賞の犯罪ドラマ。原作はピュリッツァー賞作家コーマック・マッカーシーの「血と暴力の国」(扶桑社刊)。
1980年代のアメリカ・テキサス。凶悪化する犯罪を憂い、もはやここには老人たちの住めるところはないと嘆く保安官ベル((トミー・リー・ジョーンズ)の語りから物語は始まる。
テキサスの荒野に暮らすベトナム帰還兵のモス(ジョシュ・ブローリン)は偶然、銃撃戦後の麻薬取引現場に遭遇。そこで見つけた200万ドルもの大金を持ち帰る。現場で見かけた瀕死の男が気になったモスは、その夜、再び同じ場所に向かうが、ギャングたちに見つかり、冷徹な殺し屋シガー(ハビエル・バルデム)に追われる身となる。
一方、ベル保安官は、現場に残された証拠からモスが事件に巻き込まれたことを知り、彼と殺し屋の行方を追いはじめるが・・・。
原題は「NO COUNTRY FOR OLD MEN」で、原作の本のタイトルも同じ。
アイルランドの詩人でノーベル賞作家のイェイツの詩からの引用で、イェイツは「塔(The Tower)」という詩集に「ビザンティウムへの船出(Sailing to Byzantium)」と題する詩を載せていて、その1行目に「That is no country for old men(あれは老人の住む国ではない)」と書き出している。
詩集「塔」のテーマの1つは老いであり、「ビザンティウムへの船出」における「船出」とは、老いに対する覚悟の気持ちをいっているといわれている。
とするなら、アメリカとメキシコの国境地帯を舞台に、凄惨な殺戮の繰り返しをバイオレンスタッチで描くこの映画でいいたかったのは、もはやアメリカは、古きよき時代を知る老人が住むような国ではなくなっている、ということなのだろうか。
ついでにその前に観た映画。
NHKBSで放送していたアメリカ映画「ブリット」。
1968年の作品。
原題「BULLITT」
監督ピーター・イエーツ、出演スティーブ・マックィーン、ロバート・ボーン、ジャクリーン・ビセット、ロバート・デュバルほか。
スティーブ・マックィーンがクールなヒーローを演じる傑作アクション。
護衛を命じられた証人を殺されてしまった刑事ブリットが、事件の裏にある陰謀を暴いていく姿を描く。坂の街として知られるサンフランシスコで繰り広げられるカーチェイスはスピード感にあふれ迫力満点。
テンポのよい展開、カメラアングルも斬新で、アカデミー編集賞を受賞。
民放のBSで放送していたイギリス映画「フロッグ」。
2019年の作品。
原題「I SEE YOU」
監督アダム・ランドール、出演ヘレン・ハント、ジョン・テニー、ジュダ・ルイス、オーウェン・ティーグほか。
サスペンススリラーもの。後半はパズルをはめていくような展開で、こういう映画を「パズル映画」とでもいうのだろうか。
ある街で、10歳と9歳の少年が相次いで行方不明となり、事件現場にはかつて世間を騒がせた連続少年誘拐殺人事件と同じ緑色のナイフが残されていたが、当時の犯人は既に逮捕されており捜査は難航する。
一方、事件を担当するハーパー刑事の自宅では、テレビが勝手についたり、扉がひとりでに閉まったりするなど、奇妙な出来事が次々に起こり始め、後半は予想外の展開になっていく・・・。
「フロッグ」という題名の通り、不気味なカエルの仮面をつけた人物が登場してくるが、原題は「I SEE YOU」。まるで違う。映画を見ていけば原題の意味がわかって、ナルホドそういうことだったのかと思うのだが・・・。