善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きのうのワイン+映画「ライムライト」

スペイン・カタルーニャの赤ワイン「グラン・サングレ・デ・トロ(GRAN SANGRE DE TORO RESERVA)2015」f:id:macchi105:20200606113523j:plain

スペイン・バルセロナの近郊、ペネデス地方でワインを造り続けて150年以上というワイナリー、トーレスのワイン。

牡牛のマスコットがトレードマークの定番シリーズの、ワンランク上の赤ワインだとか。グルナッシュ60%、カリニャン25%、シラー15%。

 

ワインの友で観たのは、アメリカ映画、というよりチャップリンの映画「ライムライト」

1952年の作品。

製作・監督・脚本・音楽・出演チャールズ・チャップリン、出演はほかにクレア・ブルーム、バスター・キートンシドニーチャップリン、ナイジェル・ブルースなど。

 

もうテーマ曲を聴くだけで目頭が熱くなってくる。

アメリカで製作した最後の作品。完成直後にチャップリン赤狩りにより米国を追放されることになる。

 

失意が原因で歩くことができなくなり、自殺を図ったバレリーナのテリー(クレア・ブルーム)を、かつて喜劇役者として有名だったが今は落ちぶれて酒びたりの日々を送るカルヴェロ(チャールズ・チャップリン)が救う。

カルヴェロのおかげで生きる勇気をもらったテリーはやがて一流のプリマになり、落ちぶれ果てたカルヴェロを再起の舞台に立たせる。

しかし、その舞台で拍手喝采を得たものの、転倒したカルヴェロは、舞台の裾でライムライトに輝いて踊るテリーの姿を見ながら静かに眠る。

 

映画のプロローグシーンにチャップリンの3人の子どもたちが登場。その中にジェラルディン・チャップリンもいた。

もう大人になっている長男や次男も出演。次男のシドニーチャップリンはヒロインの相手役をつとめる準主役。

家族総出って感じ。

 

薄幸の娘を救うためすべてを尽くすチャップリン。「街の灯」と同じモチーフだが、本作はトーキーで、無声映画とはまた違うチャップリンの魅力が遺憾なく発揮されているし、老境の役者の境地が胸に迫る。

生きる希望と勇気を与えるためのチャップリンのセリフがすばらしい。

 

人生とは願望さ。意味なんかない。願望こそが人生のテーマなんだ。欲望があるからバラはバラらしく花を咲かせるし、岩はいつまでも岩らしくありたいとがんばっているんだよ。

 

人生はすばらしい。人生を恐れてはいけない。人生に必要なのは、勇気と想像力、そして少しのお金だけさ。

 

希望がなければ瞬間を生きればいい。すばらしい瞬間だってあるんだから。

 

生きて、苦しんで、楽しめ。人生は美しくてすばらしいんだ。

 

そして、カルヴェロの最後の舞台での、近視?のピアニストのバスター・キートンとバイオリン弾きのチャップリンの共演。

世界の三大喜劇王といえばチャップリンバスター・キートン、それにハロルド・ロイド。互いに自分の映画の主役を演じていて共演なんて普通あり得ない。その3人のうちの2人が共演しているんだから、それだけでも必見の映画といえる。