チリの赤ワイン「マプ・レゼルヴァ・メルロ(MAPU RESERVA MERLOT)2018」
マプ・シリーズはボルドーの名門バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社がチリでつくっているワイン。
先日はカベルネ・ソヒヴィニヨンを飲んだが、きのうはメルロ。
やさしい味で飲みやすい。
ワインの友で観たのはだいぶ以前、たしか10月ごろにNHKBSで放送していたアメリカ映画「グリーンマイル」。
長時間(188分)なので時間がたっぷりあるときに観ようと延び延びになっていた。
1999年の作品。
監督フランク・ダラボン、出演トム・ハンクス、マイケル・クラーク・ダンカン、デビッド・モース、ボニー・ハント、ジェームズ・クロムウェルほか。
10何年か前に一度観た記憶があるが、すっかり忘れていた。
スティーブン・キングが1996年に発表した、1932年の大恐慌時代の死刑囚が収容されている刑務所を舞台にした小説をもとに製作された映画。
元看守のポール(トム・ハンクス)の回想から始まるが、アメリカ南部の刑務所にコーフィ(マイケル・クラーク・ダンカン)という黒人の死刑囚が送られてくる。双子の女の子を強姦殺人したというので死刑を待つ身だが、不思議な力で次々と奇跡を起こし、人々を癒やしていく。
主任看守のポールは無実を確信するが、死刑執行の日が迫ってくる……。
コーフィは相手をつかむとたちまちにして病気を治してしまったり、悪者には罰を与える不思議な力を持っている。オカルトっぽい話かと思ったら、この映画は人間の尊厳を描いた作品だった。
2メートルぐらいある巨体ながら、子どものように暗闇を恐れ、深みのある声でつぶやくように話し、次々と奇跡を起こす。
主任看守のポールを始め、刑務所内のすべてがコーフィの無実を知るが、それでも刑は執行されてしまう。
普通の展開なら、執行直前に「ちょっと待った!」と声がかかり、再審の道が開かれて冤罪を晴らし、正義が貫かれてよかったよかったで終わるところだが、この映画ではそうならない。
だぶんそれは、コーフィとはイエス・キリストの再来だからなのではないか。
キリストは次々と奇跡を起こして人々に福音をもたらしながらも、磔の刑で死んでいく。奇跡を起こす人は足跡だけを残して死なねばならぬ運命にあるのだろう。