柳家小三治がトリで出演するというので国立演芸場の「国立名人会」を聴きにいく。
演目は次の通り。
まずは前座の柳家小はだの「道灌」。柳家はん治の弟子で、はん治は小三治の弟子。
柳家三之助の「 金明竹」。相変わらずうまい。大阪商人の早口言葉の早いこと。
入船亭扇治の「きゃいのう」は、親の反対を押し切って国元を飛び出し、大部屋の役者になった男の悲哀を描く噺。扇治のひょうひょうとしてた感じがいい。
中トリは 古今亭志ん橋の「井戸の茶碗」。これも人情噺だが、たっぷりとやったから40分ぐらいかかったのでは?
小菊の都々逸、いつ聴いても癒される。しまいの「越後獅子」の糸に乗せての「仮名手本忠臣蔵」の全段通し、ただし2分30秒が見事。
いつもは長いマクラがこの日は短かった。横道にそれるところをなぜか自制していたから、主催者から早く終われとでも釘を刺されたのか。だとしたら余計なお世話といいたいが。
「粗忽長屋」はいかにも落語らしい噺で、名作だ。
寛政年間の笑話本からとられた噺というから正真正銘の江戸生まれの古典落語。
ひさしぶりに大笑い。
帰りは夜の10時をすぎていて、西武線上石神井駅近くの「よってけ酒場」で軽くイッパイ。
メニューに新しい酒の名前が載っていて、秋田の酒で「山本」とある。
最近、秋田を応援しているので飲んでみたら、これがうまい。
この蔵の特徴の1つは仕込み水にあり、蔵が海岸の近くにあったため蔵から3kmも離れた白神山地の中腹から湧き出る水を蔵まで引き込んで使っているという。その工事の際は村人総出で手掘りをして水道管を引いたんだとか
そこまでやってつくっている酒、おろそかには飲むまいぞ(ここのところ「七人の侍」の志村喬演じる勘兵衛の境地)。
つまみは、刺身の盛り合わせ
芝エビの唐揚げ
さつま揚げ
大いに笑って、おいしい酒が飲めて、スキップしながら帰還。