善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

ルノワール展の2つの作品

きのうは六本木の国立新美術館で開催中の「ルノワール展」へ。
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すいてる時間をねらい午前中の10時半ごろ行ったが、女性を中心にけっこうにぎわっていた。
中年の方が多かったが、夏休みなのか若い女性も目立った。

世界でも有数のルノワール・コレクションを誇るオルセー美術館オランジュリー美術館が所蔵する100点を超える絵画や彫刻、デッサン、パステル、貴重な資料の数々によって画家ピエール・ オーギュスト・ルノワール(1841-1919)の全貌に迫る展覧会。

気に入った作品はいくつもあったが、やはりルノワールの最高傑作とされる「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」(1876年)と、ルノワールの絶筆とされる「浴女たち」(1918-1919年)の2点だろう。
ムーラン・ド・ラ・ギャレット」が初期の最高傑作なら、「浴女たち」は彼の生涯での最高傑作といえる。

ムーラン・ド・ラ・ギャレット」は縦131・5㎝、横176・5㎝の大作。
モンマルトルにあるダンスホールというか野外酒場で酒に踊りに興じる人々が描かれている。
絵に登場する人々はみな幸せに包まれている。
それこそ作家がめざしたことであり、ルノワールが「幸福の画家」といわれるゆえんだ。

モンマルトルはパリ郊外の丘の上にあり、もともとは下層階級の人々が住む地区だったという。
庶民が住めばアヤシゲな飲み屋も含め盛り場が繁盛するようになる。丘の上の利点を生かして風車(ムーラン)が設置され、粉をひき、それで作られた焼き菓子が売られるようになり、人気が出て風車が乱立するようになったという。

そんな場所にあったのが野外ダンスホールムーラン・ド・ラ・ギャレット
ルノワールはそこに出入りする人々のささやかな幸福を描きたいと、この作品の制作のため近くにアトリエをみつけ、この絵を描いたという。

しかし、ルノワールの生涯の傑作は何かと問われれば、きのう見た「浴女たち」。
1919年に78歳で亡くなっているから、まさしくルノワール最後の作品だ。

まるで楽園のようなボワッとした田園風景の中に何人もの裸婦が描かれている。
中でも目を引くのが豊満で肉感的な2人の裸婦。バラ色の肌で、おなかのあたりなんか三段腹になっている。
そこには自由が躍動している。
ルノワールにとっての「幸福」を超えた「理想」が描かれているのではないか。

ルノワール展を見終わるとちょうど時分どき。
地下鉄の六本木駅に行く途中の中華料理の店(中華名菜・孫)でランチ。

ランチセットを注文(1人前1200円)。
スズキの宮廷風蒸し
豚肉とゴーヤの辛味炒め
トマトと玉子のスープ
それにデザート。

豚肉とゴーヤの辛味炒め。
シャキシャキ感と苦み、ピリカラ味が絶妙でおいしい。こういうゴーヤの切り方があるんだと感心。
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ほかの料理は省略して、デザート。
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この店のシェフ孫成順さんはNHKの「あさイチ」とか料理番組で目にする人。
12時をすぎたら順番待ちの人もいた。
人気の店のようだ。