善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

新・映像の世紀 第3集

日曜日夜放送のNHK総合「新・映像の世紀第3集・時代は独裁者を求めた」を観る。

世界中が恐慌にあえいでいるとき、反共と反ユダヤ主義を掲げたヒトラーナチス党が台頭すると、世界中の企業がヒトラーへの支援を行ったという。
自動車王ヘンリー・フォードナチスに資金援助したといわれ、空の英雄リンドバーグヒトラーと手を組むことが世界を平和に導くと演説した。
ドイツの保守本流や財界も共産党追い落としのためナチスを利用しようとした。
世界恐慌からの回復をめざす経済政策がうまくいったこともあって、国民の支持も絶大となった。
独裁政治とは、最初は「今の状態を変えてほしい」という期待、というか幻想から始まるのだろうか。

このあたりの手法はアベノミクスで国民の支持を得ようとする安倍政権のやり方とも似ている気がした(アベノミクスが成功しているとはいえないが)。

やがてナチス・ドイツは狂気の本質をあらわにしていく。

なぜナチスを阻止できなかったか、マルティン・ニーメラーという牧師の言葉が引用されていた。

ナチスが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった。
私は共産主義者ではなかったから。
社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった。
私は社会民主主義ではなかったから。
彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった。
私は労働組合員ではなかったから。
そして、彼らが私を攻撃したとき、私のために声をあげる者は誰一人残っていなかった

戦争が終わって、ナチス強制収容所の悲惨な実態が明らかとなり、連合軍はドイツの人々に収容所の内部を公開し、見学させた。
ドイツの市民たちは顔をそむけて言った。
「知らなかったんだ」
だが、生き残ったユダヤ人は言った。
「いいや、あなたたちは知っていた」

ヨーロッパの独裁者がテーマだったからか、日本の軍国主義の話はほとんどなかった。
しかし、私たちは今年、日本の国会で安保法制が強行可決されたことを、知っている。