善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

高橋コレクション展 ミラー・ニューロン

東京・初台の東京オペラシティアートギャラリーで開催中の「高橋コレクション展 ミラー・ニューロン」を観る。(6月28日まで)

中は写真撮影禁止だが、こちらはオーケーの出口にあった草間彌生の作品。
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高橋コレクション」とは精神科医である高橋龍太郎氏の収集による現代アートのコレクションであり、同氏は1997年から日本現代アートを中心に収集を始め、所蔵作品は2000点に及ぶという。
今回の展覧会でも草間彌生横尾忠則森山大道荒木経惟舟越桂森村泰昌奈良美智村上隆会田誠などなどと現代アートをリードする作家たちの作品が並んでいた。

気に入った作品を観た順に記すと・・・。

草間彌生の作品は1950年代のものからあった。

奈良美智の絵は6つの作品があったが、マンガチックな描き方なのに深い絵画性を感じる。どれもすばらしい。

横尾忠則の「湯の町タンゴ」。これもマンガチックなのに心に引っかかる。湯浴みをしている女性。カッパもいた。

ヤマベケンジの鉄の彫刻、「イエロー・スーツ」。生きているみたいに生命感がある。

小沢剛の写真、「ベジタブル・ウェポンーナン・プリ/チェンマイ、タイ」野菜を銃に見立てて、女性がコッチをにらんでいる。

中村一美の「絵巻18 親鸞上人絵伝」。アクリルで描かれた抽象画だが、ぐっと考えさせる何かがある。
不思議な魅力だ。

束芋の「にっぽんのちっちゃい台所」。アニメ映像を障子の隙間から覗き見する。

名和晃平の「PixCell-Lion」。ガラス玉をまとったライオンが歩いている。見ていて飽きない。

船越桂の「遠い手のスフィンクス」。彫刻の材料は楠。おっぱいのふくよかなこと。

池田学の「興亡史」。紙にペンとインクで描いたというが、何という超細密な絵。なかなかドラマチックで、ワタシ的には会田誠の絵よりよっぽどこっちのほうが好き。比べるのはナンだが。

加藤美佳の「パンジーズ」。写真かと思ったらキャンバスに描かれた油彩と知って驚く。

ほかにもいろいろあったが、これだけの作品を一度にじっくりと堪能できてシアワセな気分となった。

ちなみにミラーニューロンとは目の前にいる人の言動を脳内でシュミレートする細胞のことで、「物マネ細胞」とか「共感細胞」などとも呼ばれるという。
アリストテレスは、芸術は自然を模倣する、といったとか。
高橋氏は、「現代アートは模倣と引用によるシミュレーショニズムの影響なくしては語れない」「日本の現代アートシーンは正面に西欧のアートミラーがあり、背後に千年の伝統アートミラーを見据える鏡の只中にある」というようなことをいっている。

なかなか言い得て妙。